「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年07月27日

伊佐山紫文4

 小学校高学年から高校にかけて、ご多分に漏れずSFにハマり、漫画・小説を読みまくり、アニメ・特撮映画を観まくった。
 あまたある作品の中で、一つだけ、心に引っかかるエンディングがあった。
 それはエドモンド・ハミルトン原作の『キャプテンフューチャー』で、エンディングの歌は「ポプラ通りの家」。
 かつて自分が住んでいた「ポプラ通り」に昔の恋人が住んでいるはずだから、君がもしそこを訪ねることがあったなら、よろしく言っといてね、みたいな、まるでイギリス民謡の「スカボロー・フェアー」を思わすような歌詞だった。
 月生まれの主人公とは全く無関係な、独自の世界だった。
 なぜこれが心に引っかかったのか、それはよくわからないけれど、とにかく琴線に触れるものがあった。
 同時期にゴダイゴの歌う『銀河鉄道999』にもなぜか惹かれた。
 原作とは全く違う内容であることは「ポプラ通り」と同じ、独立した歌として、独自の世界を創り上げていた。
 後年、もっと幼い頃に大好きだった『北風小僧の寒太郎』も同じ作詞家の作品だと知って、「才能」というものの恐ろしさを垣間見たような気がした。
 この作詞家・山川啓介先生と、一度だけ、親しく酒を飲み交わしたことがある。
 それは、恥ずかしながら、私原作のミュージカルの上演を終えた後の打ち上げである。
 先生は私の舞台を褒めてくれ、次の機会があるならボランティアで手伝いたい、とまでおっしゃってくれた。
 話は私の舞台のことに終始し、先生の歌が大好きだったことを伝えられなかったのが今でも悔やまれる。
 翌朝、東京へと帰る駅で、故郷日田の小鹿田焼きをお土産にお渡しすると「次は現場でな」と堅く手を握ってくれた。
 その現場では必ず、先生の歌への思いを伝えようと思っていた。
 それなのに、今朝、先生が亡くなったことを新聞で知った。
 人は必ず死ぬ。
 だから限りある生をしっかりと生きなければならない。
 知人の訃報に接するたび、そう思いつつ、グダグダの日常をただ過ごしていることに忸怩たる酒を、今宵も飲もう。
 それで、山川先生、次の世では必ず、一緒に、現場で仕事しましょう!
 約束ですよ。
  
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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