「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
またしても台風の前日で風雨を免れました。
日頃の行いに自信ないけど、良かった。
私、浅川も不思議な婆さん、稗田阿礼を全う出来、本望です。
あまりにイメージ通りのキャストに、次が考えられない。
もう今年は休みます。休もうかなと思います。
機会あれば、この趣向の曽根崎心中を同じキャストで再演したいですね。
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2017年10月22日

伊佐山紫文99

『恋の名残 新説・曽根崎心中』公演が終わりました。
 今年最後の仕事だと、これが終わったらゆっくり休もうと思っていた。
 部屋も片付けないといけないし、ビデオも観ないと、本も読まないと。
 とにかく今回を乗り切ろう。
 そしたらのんびりパラダイスが待ってる。
 と、思っていた。
 甘かった。
 公演前日にすでに一本、脚本の仕事が入ったし、考えたら来月には大事なプレゼンがあるし、昨夜の打ち上げの席では何やら仕事らしきものが生まれそうだったし、のんびりどころじゃない。
 おそらく明日からまた過密スケジュールで突っ走ることになると思います。
 今後ともよろしくお願いいたします。
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2017年10月22日

伊佐山紫文98


昨日10/21に書かれたものです。

 いよいよ本日『恋の名残 新説・曽根崎心中』の公演である。
 これは私が初めて書いた関西弁の芝居であり、これを関西ネイティブの歌手がどう演じ、台詞を語るのか、昨年の初演の時はドキドキもので眺めていた。
 その後いくつかの舞台を経て、関西弁でも違和感なく舞台が進むのを確認して、今回は稗田阿礼以外、すべて関西弁で書いた。
 関西で関西人が関西人相手に演じるんだから当然じゃないか、と思われるかも知れないが、そう簡単な問題じゃない。
 明治時代に「言文一致運動」というのが起きて、書き言葉を話し言葉に近づけようと、特に小説の文体の改良が行われた。
 二葉亭四迷の『浮雲』などがその嚆矢とされるが、一読してわかる駄作である。
 むしろ言文一致に逆らうようにして文語で書かれた森鴎外の『舞姫』や樋口一葉の諸作の方が作品として優れている。
 文体は作品の要素ではあるが、作品そのものではない。
 それが証拠に、名作は言語を越える。
 翻訳しても名作は名作である。
 それじゃあ、と、大阪の話を標準語で演じて観客が納得するかと言えば、それは違う。
 標準語にすることで、何かが消える。
「いてはる」を「いらっしゃいます」に替えることで、そこにある大事な空気が消える。
 大道具一式が消えるほどの、大事な何かが消えてしまう。
 だったら、関西弁で書けよ、と言う話になるのだが、これがそうはいかない。
 ここで関西弁の「言文一致」という問題が起きてくる。
 簡単に「言文一致」と言うが、これは単に「話す」ように「書く」ことではない。
 そんなに簡単なら、明治の一流の知識人たちがあれほどの苦悩をしたりはしない。
 二葉亭四迷はロシア文学に通じていたし、師匠筋にあたるだろう坪内逍遙はイギリス文学の達人である。
「言文一致」は外国語をどのような日本語に訳すかという問題でもあったのである。
 口語で書かれた外国語の作品を文語に訳して、それが翻訳と言えるのか?
 彼等にとって外国の小説は「言文一致」の口語で書かれており、日本にはそのような口語は当時、存在していなかった。
 実際には「言文一致」した言語などどこにも存在しないのだが、そんなことはどうでもいい。
 彼等にとっては日本に口語が存在しないこと、それこそが問題だったのだ。
 人間の内面を描くにふさわしい口語こそ、日本が近代化するに必要な言語なのだ、と。
 これが「言文一致運動」の隠れた動機でもあった。
 ここで簡単に「内面」という言葉を使ったが、これこそがヘーゲル哲学の、というより、近代哲学の根幹である。
 人間の「内面」つまりは「心」の動きをどうとらえるか。
 それは文語じゃ描ききれないでしょう。
 やっぱ口語でしょう。
 と言うことで、小説家の長い長い労苦の末に、今の小説や戯曲の「口語」が作られた。
 この「口語」によって、日本人の「内面」や「心」は十全に描かれるようになった(という幻想を皆が共有した)。
 だったら、関西人の「内面」は?
 関西人の「心」は?
 と、ここでこそ関西弁の「言文一致」が問題となってくるのだが(谷崎潤一郎の『卍』などの試みはあるものの)、困ったことに関西弁の「口語」はいまだない。
 すべてこの場での書き言葉での創作となる。
 それを演者が演じたとき、観客が観て聞いたとき、一つの関西世界が成立するのか、どうか。
 それは、作品そのものが関西人の「内面」や「心」を描き切れているのか、という問題なのである。
 九州出身の余所者である私には、息を殺して眺めるしかない。
 今日もまた、そうやって息を殺して舞台袖から眺めていよう。
 
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2017年10月22日

伊佐山紫文97

 伊丹に越してきてから6年になる。
 あれは息子が3歳になった年で、引越の時は大変だった。
 危険だからと、息子と妻はママ友のところに泊まって、私一人、荷造りされたダンボールの林の中に寝た。
 このダンボールの整理が甘かったものだから、荷ほどきに手間がかかり、まともな家事再開まで引っ越してから一月以上かかった。
 というか、今でもまだ解いてない荷物もあって、引越継続中とも言えるのだが、それはそれ、とにかくもう、当時はてんやわんやだった。
 まず、台所のガスが使えない。
 ガス管のソケットがつながらない。
 無理につなぐと犯罪になると言われ、新しいガスコンロを買うことになった。
 規格が違うとか、同じ大阪ガスなのにそんなこと聞いてないぞ、と言いたくなるが、それはそれ。
 とにかくウチは炊飯器は使わず全てガスだったから、飯も炊けない。
 電磁調理器で炊いた生煮えのご飯を食べながら、通いたての幼稚園に子供を送り、部屋をなんとか整理した。
 とにかく本が多い。
 これでも相当処分したし、日田に送った本も1000冊以上あったはず。
 若い頃から本に取り憑かれていたから。
 もう、取り憑かれるとしか言いようがない。
 一人の作家の本を読み出すと、もうその人の全作品を読まずにはいられない。
 もちろん、読めるはずはないのだけれど、全集だけは買う。
 買って読んでいるうちに飽きて、別の作家へと浮気する。
 で、そっちも全集買い。
 これが知識欲なのか、所有欲なのか、もはやよくわからない。
 こうして部屋は書庫と化す。
 書棚を観れば、若い頃から最近まで、関心の在りかが一目で分かる。
 これを引っ越すとなると大変である。
 古い本を処分するにしても、手で運ぶのも無理な量だし、結局はネットの古書店を利用することになる。
 これが、安い。
 あきれるほどに安い。
 まず、私の書斎の本など、値段がつかない。
 そりゃそうだ。
 私が要らないのだから、人も要らない。
 値段もつかない本を買う方が悪い。
 ヘーゲルなど、奇跡的に値段がついて60円。
 なのに、妻が買った、私から見れば死ぬほどアホとしか言いようのない女流作家のバカ本が400円!
 あのな~、ヘーゲルの6倍以上もエライ作家がこの世におるのか!
 みたいな。
 それも仕方ない
 私の書いた本など、アマゾンで1円だぞ。
 値段がつくだけ有り難い。
 まあ、それはそれ、そろそろ本も溜まってきた。
 次の引越のことも考えて整理しないと。
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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