「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2018年02月17日

伊佐山紫文149

『人類20万年 遙かなる旅路』
アリス・ロバーツ著 野中香方子訳 文春文庫
 アフリカで誕生した現生人類が南極以外の大陸に放散していく様を、著者は文字通り地を這うように体験して歩く。
 地球各地に広がった現生人類の足取りが、最新のDNA分析や地質年代測定法、そして骨格の形態学によってあきらかにされていく。
 元はBBCのドキュメンタリーだという。
 こっちも是非観てみたい。
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2018年02月17日

伊佐山紫文147

『モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯』
田之倉稔著 平凡社新書
 井形ちづる氏の名著『シューベルトのオペラ』(水曜社)によれば、シューベルトは19のオペラ(舞台音楽)を残している。
 数え方にもよるが、モーツァルトは21だから、シューベルトもオペラ作曲家に数えられてもおかしくない。
 ところがシューベルトの業績の中でも、オペラは、歌曲や交響曲や室内楽よりも一段低く扱われ、どころか、まったく無視されてしまっている。
 かくもモーツァルトとシューベルトを隔ててしまうものは何か?
 それは、一言で言えば、ダ・ポンテその人である。
 考えてもみよ。
 モーツァルトが『フィガロの結婚』を作曲したのが30歳、『ドン・ジョバンニ』が31歳、『コジ・ファン・トゥッテ』が34歳である。
 これらは言うまでもなく、ダ・ポンテの台本による。
 もし、ダ・ポンテがおらず、シューベルトと同じ31歳で死んでいたら、モーツァルトの作曲家としての評価は相当に違ったものになることだろう。
 で、そのダ・ポンテであるが、本書のタイトル「モーツァルトの台本作者」としてしか知られておらず、実際、業績としてはそれだけなのだが、その生涯はムチャクチャに面白い。
 特にアメリカに渡ってから、生活に苦労しながらこの地でイタリアオペラを上演しようと悪戦苦闘する様は滑稽としか言いようがない。
 アメリカ初のオペラハウスの建設に奔走したのもダ・ポンテだし、当然、その運営にも失敗し、借金だけが残る。
 こうして時代錯誤なオペラの夢に生き、89でアメリカに没した。
 墓の正確な場所も分からない。
 本書では、戯曲『フィガロの結婚』の作者ボオマルシェを小物にしたような、ダ・ポンテのアヴァンチュリエぶりが生き生きと描かれる。
 ちなみに最近、岩波は辰野隆訳の文庫『フィガロの結婚』を増刷した。
 この、誤訳と奇怪な日本語に終始し、最後に歌われる歌を割愛したバカ本を決定版とすることに決めたようだ。
 せっかく『セビーリャの理髪師』では鈴木康司氏の清新で正確な訳を採用したのに、今回の『広辞苑』改悪同様、腐りきった書店だと断言せざるを得ない。
 ちなみに『フィガロ』の原作を読むなら、同じ鈴木氏の『新訳 フィガロの結婚―付「フィガロ三部作」について』(大修館書店)を強くお薦めする。
 オペラと比べればダ・ポンテの手際の良さがよく分かる。
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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