オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年07月26日

伊佐山紫文3

 昨日は土用の丑の日、毎年、いかりスーパーの日田のウナギを買うのだけれど、今年は手元不如意ゆえ、代用品で済ませた。
 ご飯にたっぷり市販の蒲焼きのたれをかけ、これに豚骨と魚介のダブルスープで煮た京薄揚げを載せた偽鰻重である。
「なんだよこれは」とむくれていた息子も、一口食べてからは「旨い、旨い」と完食した。
 そもそもウナギは江戸時代までは冬の食べ物とされていて、夏の売り上げは極端に落ちていたらしい。
 そこをてこ入れしたのが平賀源内で「丑の日にウナギ」という風説を流し、今に続く夏のウナギブームを作ったというのだが、さて。
 確かに大伴家持の歌に、
 石麻呂に 我もの申す 夏やせに 良しと言うものぞ ウナギとりめせ(『万葉集』)
 と言うのがあって、ここからは「夏には(安い)ウナギでも食っておけよ」という、意地の悪い諧謔が感じられ、高級感の微塵もない。
 それを「土用の丑の日」のウナギブームにしたのだとしたら、平賀源内、大した人物だと言わざるを得ない。
 ただ、源内の日本思想史上の評価はそれほど高くない。
 同時代の蘭学者、杉田玄白、前野良沢らと比べ、ほとんど何の業績も残していないと言われている。
 アカデミックにはその通りだけれど、夙川座的には、少し違う。
 まず、関西弁ではない浄瑠璃台本を初めて書いた物書きだと言うこと。
『神霊矢口渡』がそれで、当時、大当たりを取ったという。
 内容的には今さら言うようなものではないけれど、関西弁で演じられるのが一般的だった浄瑠璃を、江戸ネイティブで書き上げたのは画期的だった。
 逆に現在、関西弁で芝居を書いている以上、夙川座がアカデミックに評価されることは金輪際あり得ないと思われ、その意味でも源内は他人ではない。
 だったら丑の日にはウナギを食え、という話になるが、そこは源内と同じく手元不如意ということで。
 

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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