オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年08月14日

伊佐山紫文22

『エミーリア・ガロッティ ミス・サラ・サンプソン』
レッシング作 田邊玲子訳 岩波文庫
 浄瑠璃や歌舞伎に「歴史物」に対する「世話物」があるように、ドイツ劇にも「市民悲劇」というジャンルがある。
 アリストテレスの『詩学』によって悲劇の主人公は神話や歴史上の英雄のみとされ、その説に基づいてヨーロッパ劇は作られてきたのだが、啓蒙の光を経て「市民」もまた悲劇の主人公たり得るのものとされた。
 まさに「市民悲劇」の誕生である。
 レッシングのこの二つの戯曲は、その「市民悲劇」の草分けにして代表作、初演当時は大成功を収めたらしいが、今となっては、大時代的な設定のわざとらしさと長たらしいレトリックにより、まず上演は不可能だろうと思われる。
 まず、役者がこれだけの台詞を憶えられない。
 それに、長い。
 私が計算するところ、この二作品ともに、上演時間は三時間を超える。
 現代の観客にそれだけの忍耐を強いることは出来ない。
 なら、駄作かと言えば、そんなことはない。
 シェイクスピアやラシーヌにも引けを取らぬ、とまでは言わないが、それなりの筋運びと構成で読ませる脚本にはなっている。
 人間造形も類型に堕してはおらず、生き生きとしている。
 女性の「純潔」がまだ意味を持っていた時代の記録としても、面白く読める。

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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