オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年09月21日

伊佐山紫文65

 昨日(19日)、先日の公演『神戸事件始末 瀧善三郎の最期』でお世話になった各所をお礼参りしてきた。
 そのどこでも盛況を言祝んで頂き、ありがたかった。
 もう済んでしまったイベントについてのお礼など、今の若い人たちは無駄足と思うかも知れないが、やっぱりこういうことは大事で、人間関係、つまりは仕事の基本だと思う。
 とにかく会うこと。
 会って、ナマの人間力をぶつけ合うこと。
 たとえ事後報告のお礼参りであっても、これは仕事の基本だと思う。
 あれは28年前(なんでこんなに正確な年数を記載できるのかと言えば、昨日(19日)コープこうべの店頭で「ステーション29年記念」なんてのを見て、私が関わったのは創刊1年のリニューアルからだから28年前だなあ、などと感慨にふけったから)、私にとって衝撃的な出会いがあった。
 角川書店のI編集長との出会いである。
 I編集長は小学館の学年雑誌の編集長を長く務め、長年の部下曰く「東大卒でない」故にはじかれ、角川に移った。
 小学館時代の編集者としての業績は『おばけのQたろう』『ドラえもん』の連載開始、『ウルトラマン』の講談社からの移籍など数知れず、角川に移ってからは『ザ・テレビジョン』『ウオーカー』の創刊など、常人では考えられない量と質の仕事をした。
 天才は質と量をかねるという、まさにその見本だった。
 ただ、酒量も多く、酒癖も悪く、夜中に呼び出されたり、絡まれたり、当時は嫌な思いばかりだと感じていたが、それよりも得たものの方がはるかに多かった。
「電話で済ますな、とにかく会いに行け」
 というのが口癖で、いつもハッパをかけられた。
 若い私は半信半疑だったが、それでも、どうでもいい、ちょっとした打ち合わせでも常に会いに行き、人間関係を作ろうと試みた。
 それが、本当に、会ってみないと分からないもので、素晴らしいデザインをするデザイナーが会ってみればロクデナシだったり、ロクデナシだと思っていたライターが人格者だったり、本当に、会ってみないと分からないと実感した。
 あれから四半世紀が過ぎ、インターネットの時代になり、仕事も電話どころかメールで済ます時代になった。
 私自身メールのやりとりだけで3冊の本を出してしまった。
 もう、まず会って打ち合わせ、などと言う時代はとっくに過ぎた。
 それはもう、私自身が実感している。
 でなければ、メールだけで本など出さない。
「電話で女が口説けるか? まず会え」
 とI編集長は言ったが、メールで女が落ちる時代になったんですよ、アナタ。
 それでも、と、私は今でも思う。
 人間が人間と仕事をする以上、会うことは基本だ、と。
 会って、仕事をし、お礼参りをし、人間関係を固めていく。
 その中で新しい仕事を造っていく。
 実は昨日(19日)、お礼参りの中で、まだ口約束ではあるが、新しい仕事をもらえそうな気配を得た。
 もし実現するなら、今年55歳になる私の、今後の後半生を代表することになるような大きな仕事である。
 やっぱりいつの時代でも、会いに行くことは仕事の基本だと思う。
 

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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