オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年10月20日

伊佐山紫文94

 息子の小4時代が半分を過ぎた。
 小4というのは色んな意味で節目になるようで、自分を振り返ってみても、この時期には大きな変化があったと思う。
 まずは、その後の人生に決定的な影響を与えた、様々な作品に出会った。
 漫画では『男おいどん』をはじめとする松本零士作品。
 今の息子を観ていても、なぜ10歳の子供があんな大人な漫画にはまったのか、全く理解できない。
 同じマガジンでの後継作品『ワダチ』だって、そんなに明るい話じゃない。
 のに、完璧にハマった。
 テレビでは『人造人間キカイダー』に完璧にハマった。
 暗い、暗い、くら~~~~い話なのに、もう抜けられないのじゃないかと言うくらい、ハマった。
 で、思うに、これらの作品の主人公たちは、どれも完璧ではない。
 何かが欠けている。
『男おいどん』や『ワダチ』では容姿の美しさに欠けており、もちろん財力にも欠け、学歴もない。
『キカイダー』には完全な良心回路が欠けている。
 これらはみな劣等コンプレックスのカタマリである。
 で、振り返ってみれば、私自身、この頃から劣等感に苛まれるようになっていた。
 ウチの家は他とは違う。
 みたいな。
 そして身体能力も他の子には一切かなわない。
 なぜみんなはあんなに出来るのだろう。
 みたいな。
 とにかく出来ないづくしで、このままだと自分はどうなってしまうのだろう、と、そんな劣等感に苛まれていた。
 発達心理学で言うところの社会化なんだろうとは思う。
 家族関係から友人関係へと人間関係がシフトしていく中で、他の子との比較が始まる。
 あの子はこれが出来るのに、なぜ自分は出来ないんだろう。
 みたいな。
 そこに劣等コンプレックスの主人公の物語がシンクロして、共感する。
 単純な構図と言えば構図だが、それでも不思議なのは、なぜ私が10歳の時にこのような名作群が現れたのか、そのシンクロである。
 まさにユングのシンクロニシシティとしか言いようがない。
 息子も小4で、まあ、スクスクと育っているとは思うが、『男おいどん』や『キカイダー』が現れる気配もない。
 脳天気にネットの動画を眺めて、ケタケタわらっているだけだ。
 ただ、友人関係は替わり始め、幼稚園時代からの友人は遊びに来なくなった。
 テンニエス風に言えば、ゲマインシャフト(与えられた関係)からゲゼルシャフト(選んだ関係)への移行は確実に始まっている。
 あと半年しかない小4時代、この間に何が起きるのか、しっかり見守っていきたい。
  

Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
プロフィール
notebook
notebook
学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

< 2024年03月 >
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
カテゴリ
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人