2017年08月09日
伊佐山紫文15
10月の夙川座公演『恋の名残 新説・曽根崎心中』の新聞広告を出してみた。
これまでの人生、人の広告を作ることはあっても、自分自身の企画したイベントの広告を出すのは初めてだ。
ただし、広告代理店に丸投げではない。
写真もこちらで選び、コピーも全て自分で書いた。
どれほどの効果があるのか、それなりに読めるけれど、それでもドキドキだ。
思えば、関西に来て三つ目の仕事がコピーライターだった。
法律家の補助者→雑誌記者→コピーライターなんて、どんな軌跡かと思うが、これが数ヶ月の出来事なんだから、今考えてもダメな若者の典型だ。
とにかく、今のこの現場が一生のものとは思えない。
こなすだけ。
乗り切るだけ。
コピーライターの仕事もそうだった。
こなすだけ、乗り切るだけ。
ただ、これが、こなせない、乗り切れない、そこの社長のカンに障った。
入社して数ヶ月で、スポンサーは、そこの社長の頭越しに私に話を持って来るようになった。
しかも、あれも、これも、と仕事がドンドン増えてきた。
これがもう、社長には耐えられない。
客観的に観れば、仕事が増えているのだから社長にとって悪い話であるはずがない。
私が他から引き抜いてきたライターも数人入れて、会社はかつてない賑わいになった。
けれど、人間は機械ではない。
人間は嫉妬する動物だ。
人は、自分のやってきた仕事が大きければ大きいほど、新しい才能に嫉妬するものだ。
そもそもその社長は関西でのコピーライター(当初は広告文案屋と呼ばれた)の草分けで、シングルマザーながら鉛筆一本で家を建てたと言われ、スポンサーも今のパナソニックや大同生命など関西の超一流が並び、仲間内での尊敬も集めていた。
私がやった仕事も小林製薬のネーミングをはじめ大同生命の新商品のコピーなど、それなりにメジャーなものだった。
けれど、社長が嫉妬しだすと、もうだめだ。
と言うより、この嫉妬には根拠がある。
コピーライターが社長の頭越しにスポンサーと仕事をし始めると、それは独立の兆しなのだ。
スポンサーをごっそりと引き抜いて、コピーライターが独立!
これは会社としては最悪の悪夢である。
そして、しかも、かつてその社長自身、そのようにして独立を果たしていた。
かつて人に飲ませた煮え湯を自分が飲んでたまるものか!
こうして陰湿なイジメが始まった。
私はそんなのに耐える根性もないし、そこでやり遂げるべき仕事もなかったから、あっさりと辞めた。
世はバブル突入前夜の熱に浮かれ、25の私もまたそれから転職を繰り返すことになるのだった。
これまでの人生、人の広告を作ることはあっても、自分自身の企画したイベントの広告を出すのは初めてだ。
ただし、広告代理店に丸投げではない。
写真もこちらで選び、コピーも全て自分で書いた。
どれほどの効果があるのか、それなりに読めるけれど、それでもドキドキだ。
思えば、関西に来て三つ目の仕事がコピーライターだった。
法律家の補助者→雑誌記者→コピーライターなんて、どんな軌跡かと思うが、これが数ヶ月の出来事なんだから、今考えてもダメな若者の典型だ。
とにかく、今のこの現場が一生のものとは思えない。
こなすだけ。
乗り切るだけ。
コピーライターの仕事もそうだった。
こなすだけ、乗り切るだけ。
ただ、これが、こなせない、乗り切れない、そこの社長のカンに障った。
入社して数ヶ月で、スポンサーは、そこの社長の頭越しに私に話を持って来るようになった。
しかも、あれも、これも、と仕事がドンドン増えてきた。
これがもう、社長には耐えられない。
客観的に観れば、仕事が増えているのだから社長にとって悪い話であるはずがない。
私が他から引き抜いてきたライターも数人入れて、会社はかつてない賑わいになった。
けれど、人間は機械ではない。
人間は嫉妬する動物だ。
人は、自分のやってきた仕事が大きければ大きいほど、新しい才能に嫉妬するものだ。
そもそもその社長は関西でのコピーライター(当初は広告文案屋と呼ばれた)の草分けで、シングルマザーながら鉛筆一本で家を建てたと言われ、スポンサーも今のパナソニックや大同生命など関西の超一流が並び、仲間内での尊敬も集めていた。
私がやった仕事も小林製薬のネーミングをはじめ大同生命の新商品のコピーなど、それなりにメジャーなものだった。
けれど、社長が嫉妬しだすと、もうだめだ。
と言うより、この嫉妬には根拠がある。
コピーライターが社長の頭越しにスポンサーと仕事をし始めると、それは独立の兆しなのだ。
スポンサーをごっそりと引き抜いて、コピーライターが独立!
これは会社としては最悪の悪夢である。
そして、しかも、かつてその社長自身、そのようにして独立を果たしていた。
かつて人に飲ませた煮え湯を自分が飲んでたまるものか!
こうして陰湿なイジメが始まった。
私はそんなのに耐える根性もないし、そこでやり遂げるべき仕事もなかったから、あっさりと辞めた。
世はバブル突入前夜の熱に浮かれ、25の私もまたそれから転職を繰り返すことになるのだった。
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