「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2019年07月28日

伊佐山紫文368

昨日は安いウナギを求めて市内を彷徨うことになった。
 小六になる息子がウナギを食べたいと言い出したもので。
「なんで土用の丑の日はウナギなの?」
 などと、根本的なことも聞いてくる。
 平賀源内の例の眉唾な話はさておき、昔から土用の丑には色の黒いものを食べることになっていて、特にウナギは万葉集にも「夏痩せ」に良いものとして詠まれてもいる。

石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とりめせ(家持)

 で、市内を彷徨した結果、あまりにもバカ高いので断念した。
 代わりに穴子。
 二匹で700円。
「え~なんで?」
「穴子もウナギも似たようなもん。川に登らないウナギが穴子だよ」
「けど、穴子、黒くねえじゃん」
「良いんだよ、タレで焼いたら黒くなる」
 夕食は穴子丼と「う巻き」ならぬ「あ巻き」にした。
「結構旨いじゃん」
 と、ペロッと完食した。
 父親は厚揚げの蒲焼きで焼酎を。
「いつか、俺の本が売れたら、お店のウナギを食べに行こう」
「そんなことは一生ねえぞ……」
 怪しい沈黙。
「……お父さんの舞台が売れるってことはあるかも知れんけど」
 小六の子にいらん気を遣わせてしまった。
2019年07月23日

伊佐山紫文367

『告白小説、その結末』平成29年2017年フランス
監督:ロマン・ポランスキー 脚本:オリヴィエ・アサイヤス、ロマン・ポランスキー
 ポランスキーは人間的には全く好きにはなれないけど、たまに傑作を撮るから始末に負えない。
 この映画もそう。
「その結末」には唖然とさせられた。
 伏線の張り方など、とにかく脚本が良く練られているし、妄想と現実が渾然となっていく部分の映像表現がなんとも言えず素晴らしい。
 スカッと騙されてください。
★★★★★
2019年07月23日

伊佐山紫文366

ビデオ『スターリンの葬送狂騒曲』平成29年2017年イギリス=カナダ=フランス=ベルギー
監督・脚本:アーマンド・イアヌッチ
 スターリンが死んでベリヤが粛正されるまでのドタバタ劇をこの上なくグロテスクに描ききった傑作ブラックコメディ。
 ベリヤの異常な小児性愛やスターリンの息子のボンクラぶりにも笑える。
★★★★★

ビデオ『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』平成29年2017年アメリカ
監督:トリッシュ・シー 脚本:ケイ・キャノン、マイク・ホワイト
 シリーズ三作目。
 社会人になった元アカペラコーラスのメンバーがグループを再結成。
 できの良いスポ根邦画のような清々しさ。
★★★★☆

ビデオ『空飛ぶタイヤ』平成30年2018年日本
監督:本木克英 脚本:林民夫
 事故原因を隠そうとする財閥系メーカーに挑む中小企業。
 まあ、どこにも「良い人」ってのはいるもんで、そういう救いがきちんと描かれている。
★★★★☆

ビデオ『ANON アノン』平成30年2018年ドイツ
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
 なんでドイツ映画なのに英語?
 映像は素晴らしいけれど、ストーリーは場当たり的で説得力に欠ける。
★★★☆☆

ビデオ『ハード・コア』平成30年2018年日本
監督:山下敦弘 脚本:向井康介
 埋蔵金だのロボットだの、胡散臭さ満載、で、陰謀と裏切り。
 面白いけれど何かが欠けている。
 物語のバックボーンとなるべき政治的教養か?
★★★☆☆

ビデオ『センセイ君主』平成30年2018年日本
監督:月川翔 脚本:吉田恵里香
 先生を好きになっちゃった女子高生。
 その先生もかなり訳ありな数学者。
 定番のコミック映画を一歩も出るものではないけれど、体当たり演技が爽やか。
★★★☆☆

映画『ザ・ファブル』令和元年2019年日本
監督:江口カン 脚本:渡辺雄介
 久しぶりに劇場で。
 何というか、ちゃんと大阪でロケしろよな。
 大阪を舞台にするんだったら。
 西日本と東日本では街並みがやっぱり違うんで違和感アリアリ。
 そもそも大阪の空気感全くない場所で空しく響く関西弁。
 ギャーギャー大声出してたらそれらしく聞こえると思ったら大間違いだし。
 それに、人間造形が薄い。
 豪華キャストにすればなんとかなると思ってたら、これも大間違いだし。
 ギャグも寒い。
 アイドルに変な顔をさせてりゃなんとかなると思ってたら、とんでもない間違いだし。
 番宣で出てる岡田准一のテレビの方がよっぽど面白かった。
 アクションはやはり凄いので★一つ追加。
★★★☆☆

なんか体調良くない。
蒸し暑いのが一番道産子をダメにする。

そんな中、6月公演のDVDが届いた。
関係者や後援いただいてるお客様にお渡しせねば、ということで、先ずはDVDの出来を伊佐山が元気に普通にチェックしに来た。
はい。伊佐山は元気です。

早速、DVDを観ようということになり、来ました。
体調良くないけど、私もDVDはみたい。

というわけで、二人でチェックしました。

崎谷さんの芝居が自然で、その努力に泣けました。
崎谷さんは稽古中、声が出なくなるというアクシデントありましたが、それがかえって身体の力が抜けたような良い雰囲気になりました。

崎谷さんのまんまでいい、とはずっと通して伊佐山が話していましたが、崎谷さん自身は演技に悩んでいたと後で知り、頑張ったのだなぁと感謝しかないです。

崎谷さん万歳。クララはきっとこんな人だったと思います。

谷さんのシューマンは流石のオペラで培った身体の使い方と歌の感情移入と、後はギャップあるおもろい芝居。

西村さんは安定と気配りある芝居。空気読んだ芝居。
素晴らしいです。歌ははい、プロ。

藤本さんはもう切なくて、歌も芝居も切ない。感情表現がとにかく上手い。

辻田、久保、中西の夙川マダムズはとにかく可愛い。
天使です、天使。

二胡奏者の鳴尾さんはまんま、としか言えない。
そのまんまが謎の女です。
とてもウケていました。
ちっちゃな水晶玉をいつも持っていて欲しい。

伊佐山も街のマエストロ役で指揮をしました。
ストレスで体重減少甚だしいです。
衣装は私のもので、パンツスーツです。

私も関西弁出来ないので、ベルリンから来たお母さん役させてもらいました。
弾き歌いなので、歌がちゃんと聴こえるかどうか心配も少しありましたが、まぁDVDでは大丈夫でした、
弾き歌いがマイブーム。

湿気に弱い道産子の私ですが、すべきことは続く。

やらせてもらえるうちはやらせてもらう。
感謝しかない、です。
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
2019年07月04日

伊佐山紫文365

『素敵なダイナマイトスキャンダル』平成30年2018年日本
監督・脚本:冨永昌敬
 世の中がまだ紙で雑誌を作っていた時代、警察呼び出し常連のエロ雑誌編集長がいた。
 と、客観的に書き出してみたけれど、イヤイヤイヤ、そんな甘いもんじゃない。
 この物語のラスト近く昭和末期の雑誌作りの空気を共に吸った者としては、懐かしさと空しさに胸が押しつぶされそうになる。
 昭和時代は、映画の通り、トリミング、レイアウト、全て、カッター、定規、糊を使って人の手でやっていたもんだ。
 私など、30年前、26歳、一度も東京で仕事をしたことなど無かったのに、いきなり角川の編集者として関西で雑誌を作ることになった。
 今はもうそんなことはないのだろうが、当時、30年前は、東京と関西では雑誌の作り方が全く違っていた。
 関西では「版」を再利用するのに、東京では毎回新しいものを作る。
 だから関西のデザイナーは平気で「再」を指定してくるが、東京と「版」が被っていた場合、そんな記号には何の意味もない。
 最初は私も、まさか毎回「版」を作っているとは知らなかったから、デザイナーの猛抗議を受けて東京に掛け合い、田舎者扱いされた。
 また、こちらで言う「コピー」が東京では「リード」だったり、用語も統一されていないものだから、電話だけだと話が全くかみ合わない。
 今で言う「フォント」も微妙に違っており、これもトラブルの元だった。
 26の私にとっても、組織にとっても、全てが手探りでイチからだった。
 最も私は角川という大組織に守られていたから、この映画の主人公のような目には遭わなかった。
 それだけが救いかな。
 まあ、似たようなモンだけど。
 そうそう、喫茶店もこの映画のような感じだった。
 スタバもタリーズもなく、その代わり、いかがわしいものが山ほどあった。
 私の実家も実は画廊喫茶「ムンク」と言って、日田の文化発信の拠点の一つだった。
 いや、本当に懐かしい。
 ただ一つ気になったのは、主人公の母親が結核で身をはかなんで……という設定はどうなんだろう。
 主人公の(モデル)末井さんは昭和23年(1948年)生まれだから、その母親は確実にストレプトマイシンによる治療を受けられたはず。
 当時もう結核は不治の病ではなくなっていたはずで、だとしたらなんだか色々変なことになるんだけど。
 と言うのも、実はウチも伯母が一人、戦後まもなく結核になったことがあった。

 映画は物語的には特にどうと言うこともない。
 タダひたすら、昭和の雰囲気が懐かしい。
 平成というこの丸ごと30年、この私はいったい何をやってきたんだろうな。
★★★★☆
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
2019年07月04日

伊佐山紫文364

『解明される意識』
ダニエル・C・デネット著 山口泰司訳
青土社
 二段組み本文だけで550ページを越す「心の哲学」の金字塔。
 デカルト的心身二元論に基づく「意識」などは虚妄に過ぎぬと繰り返し繰り返し論じられる。
 それも、哲学ではなく、脳科学やコンピューターサイエンスの事例を元に。
 想像以上に面白かった。
 最近読んだ哲学書の中の白眉。
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
2019年07月04日

伊佐山紫文363

母の日に続いて、昨日、父の日も千里中央の中華料理に出かけていった。
 息子が非常に気に入っていたから。
 母の日は開店前から行列が出来ていたのに、昨日はガラガラ、息子は、
「父の日と母の日で、差別を感じました」
 などと、学校に提出する日記には書いていたが、人が少ないのには、もう一つ理由があった。
 千里中央というのは吹田市の中心部で、昨日襲撃された交番のある千里山とはほんの近所と言ってもいい。
 吹田市内では、不要な外出は避けるように、との放送もされている。
 そんなところにノコノコ出かけていったわけで、そりゃ人も少ないわ。
 と言うより、母の日と同じコースを頼んだのに、この味の違いは何?
 中華は火力が命だろうに、全く温度が足りてない。
 おまけに、テーブルも床もベタベタするし。
 息子は、
「まるで別の店だったね」
 何でこうなったのかは分からんが、とにかく犯人が逮捕されて一安心。
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
2019年07月04日

伊佐山紫文362

フリッツ・ライナーのボックスを順番に聴いていて、20枚目でモーツァルト交響楽の二枚組にあたった。
 で、冒頭が36番「リンツ」である。
 これはもう、私にとっては特別な曲である。
 14年前、父が倒れ、母が倒れ、遠距離介護が始まった歳、私はもう日田に定住する覚悟でいた。
 そんなとき、日田のレコードショップにNAXOSレーベルが並んでいるのを見つけた。
 日田も捨てたもんじゃない、と感心して、モーツァルトの一枚を買った。
 カップリングは忘れたが「リンツ」が入っていた。
 私はそれからの三年間、父が逝き、母が逝くまで、日田で、繰り返し、繰り返し、小さなラジカセで「リンツ」を聞き続けた。
 父がその夢を実現させた小さな喫茶店の床で、一人、深夜、焼酎を傾けながら、透明で清浄な音楽に慰められた。
 好きか嫌いかで言えば、39番や41番「ジュピター」も大好きだけれど、私にとって「リンツ」は特別な曲である。
 好きか嫌いかじゃない、ただ、心を動かされる。
 亡き父母の思い出のように。
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
2019年07月04日

伊佐山紫文361

『アリー/ スター誕生』平成30年2018年アメリカ
監督:ブラッドリー・クーパー
脚本:エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ
 とにかくレディ・ガガ怪演。
 音楽も素晴らしい。
★★★★★

『響 -HIBIKI-』平成30年2018年日本
監督:月川翔 脚本:西田征史
 どうしても原作と比べてしまう。
 から、終わり方が尻切れとんぼに感じてしまう。
★★★★☆

『パーフェクトワールド 君といる奇跡』平成30年2018年日本
監督:柴山健次 脚本:鹿目けい子
 結論は分かっているけど、やはり切ない。
★★★★☆

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』平成30年2018年アメリカ
監督:ロン・ハワード 脚本:ジョナサン・カスダン、ローレンス・カスダン
 ハン・ソロの「ソロ」はソロ(一人)ってことね、なるほど。
 スター・ウォーズ的世界観全開の、それでも大人の映画になっている。
★★★★☆

『散り椿』平成30年2018年日本
監督:木村大作 脚本:小泉堯史
 殺陣が美しい。
 時代劇って良いもんです。
★★★★★

『累-かさね-』平成30年2018年日本
監督:佐藤祐市 脚本:黒岩勉
 原作の良いところを本当にいいとこ取りして見事。
 なにより劇中劇の『かもめ』と『サロメ』!!!
 昔、こんな舞台を作りたかったんだよ!!
 作りたかった舞台がまんまそこにあるなんて!
 観ながらついつい深酒。
★★★★★

『ストロベリーナイト』平成25年2013年日本
監督:佐藤祐市 脚本:龍居由佳里、林誠人
『累』と同じ監督で、見落としてたのをアマゾンで鑑賞。
 これもまた繊細な心理描写が素晴らしい!
★★★★★
Posted by notebook │Comments(0)
このBlogのトップへ
プロフィール
notebook
notebook
学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

< 2019年07>
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
カテゴリ
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人