オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年08月14日

伊佐山紫文23

『CO・OPステーション』という、コープこうべの店頭に置いてある雑誌の今月号(9月号)に『神戸事件始末 瀧善三郎の最期』の記事が三本載っている。
 集客の最後の追い上げになんとか結びついて欲しいものだ。
 祈るような気持ちで、店頭の雑誌を眺めている。
 これまで何度も書いてきたように、この雑誌との関わりが、私の物書きとしての人生を確定した。
 この雑誌に関わるまで、私は自分の文章を、自分の表現として書いたことはなかった。
 あくまでもスポンサーの意向を体現するものとして、スポンサーの方だけを向いて書いてきた。
 それが自分の表現だと思ったことなどないし、どれだけ評価されようと、評価されまいと、なんの喜びも痛みもない、はぁそうですか、と言った感じ。
 スポンサーとの軋轢はあるにはあったが、それはスケジュールや予算の問題で、表現の内容を巡るものでは無かった。
 けれど、『ライフステーション』は違った(『CO・OPステーション』と表記すべきなのだろうが、私にとってはあくまでも『ライフステーション』なので、そう書かせていただく)。
 当時の角川書店の編集長から「お前の好きにやれ」とのお墨付きをもらい、灘神戸生協(現コープこうべ)の当時の統括からも「アンタの好きにやれ」と言われ、自分の表現として記事を書き、スポンサーである生協ともガチで渡り合った。
 誌面があまりにも私の記事ばかりになってはマズイと言うことで、筆名も四つ使い、とにかく書いた。
 書きまくった。
 二年間、とにかく書いた。
 で、ふと、虚しくなった。
 書いても書いても、書き流し。
 次の月が来て、新しい号が出れば、すべて忘れ去られる。
 雑誌の記事っていったい何なんだ、と。
 そんなとき、書き下ろしの本を書かないかとの話があった。
 かつて私が受験し、落ちた出版社からの依頼である。
 もちろん乗った。
 なにしろ「本」である。
 毎月毎月出ては消えて行く雑誌とは違う。
 きちんと残っていく「本」である。
 私は『ライフステーション』を捨て、「本」を取った。
 もちろんベストセラーになって印税生活に入る気満々である。
 もっとも、世の中そんなに甘くないことを知るのに半年もかからなかったが。
 なのに雑誌の世界に戻ることはまっぴら御免で、また「本」を出して売れなかったり、今度こそと「本」を出してまた売れなかったり、バカなことを繰り返し、失敗を重ねて今に至る。
 こうして、今、『CO・OPステーション』を開いて自分の舞台の記事をそこに見るとき、この何十年かの年月が甦り、甘酸っぱい思いがこみ上げる。
『神戸事件始末 瀧善三郎の最期』
 なんとか成功させたいものだ。
 

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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