オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年08月17日

伊佐山紫文29

『カンディード』ヴォルテール作 斉藤悦則訳 光文社古典新訳文庫
 こういう荒唐無稽でいかにもフランス的な奇書は古い訳で読んでてはダメだと改めて納得。
「オプティミズム(最善主義)」への反論として紹介されることの多い本書だが、それより何より、主人公を巻きこむ数々のバカバカしい不幸に目が離せず、それにまた、輪姦され腹を割かれて死んだはずの恋人が生きていたり、自分が殺した男が生き返っていたり、ご都合主義のオンパレードにもうんざりさせぬ、極上の筋運びに感嘆させられる。
 これはよく「哲学コント」などと言われるが、哲学はギミックで、著者は単なる軽いスラップスティックを書きたかったのではないかと、軽快な新訳を読みながら思った。
「とにかく、ぼくたち、自分の畑を耕さなきゃ」
 最後の一文は胸に来る。
 そうだよ、その通り。
「自分の畑」と呼べるようなものを持てただけでも幸いじゃないか。
 耕すよ、早速。
「オプティミズム(最善主義)」への辛辣な皮肉を通して、人を「オプティミズム(楽観主義)」へと導く名作です。
 ちなみにリリアン・ヘルマン台本、レナード・バーンスタイン作曲のミュージカル(オペレッタ?)『キャンディード』はこれを原作にしている。
 こっちの出来映えは「?」。
 

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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