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2017年09月05日

伊佐山紫文49

 昨日、ラジオ関西の「三上公也の情報アサイチ」に出演してきた。
 出来は心許ない。
 どうしても『神戸事件始末 瀧善三郎の最期』の紹介に熱くなりすぎて、来年の企画「六甲山」を説明する時間がとれなかった。
 それでも浅川社長歌唱の「さらば神戸」と「日田の児(こ)」を流せたのは収穫だった。
 実は、ラジオ出演は嫌いではないが、私のラジオには恥ずべき過去、忌まわしい、消し去りたい黒歴史事件がある。
 その黒歴史事件を境に、私は「マスコミ・ドロップアウト」した。
 あれは今を去ること20年以上、忘れもしない阪神淡路大震災のちょうど一年前、私はNHKラジオの討論番組に出演した。
 伊丹を発ち羽田空港からタクシーで直接NHKに乗り付けて、打ち合わせも何もなく、出演者が誰なのかも知ることなく、いきなり生で討論である。
 こういうライブ感溢れる番組も嫌いじゃないが、メンツをもっと厳選して欲しかった。
 いるのかいないのか分からない弁護士、超・上から目線の解説委員、そして誰かの代役で、まだ30台前半、エッジの効きまくった私である。
 ひな壇には他に数人いたはずだが、全く憶えていない。
 まず司会が悪かった、と思う。
 討論のテーマについて無知すぎ、ディテールについては全て私が解説することになった。
 そこに上から目線の解説委員が、シロウトのくせに生意気な茶々を入れてくる。
 専門家として呼ばれた弁護士は黙ったまま。
 当たり前だ。
 弁護士ではあっても、この問題についてはシロウトなのだから。
 これより何年か前、この弁護士がその問題について聞きたいと言って連絡を取ってきたことがあり、上京した折にレクチャーした。
 この問題でちょっとマスコミに出るようになったとはいえ、だからといって私を差し置いて発言するわけにはいかなかったのだ。
 私がそもそも番組に出たのは、その年に上梓すべき本の宣伝が出来ると思ったからで、解説に追われて宣伝も出来ない上に、何にもわかってない解説委員に絡まれて、さすがの私もだんだん苛ついてきた。
 解説委員も次第に不機嫌になり、言葉が荒くなってくる。
 私は苛つくと感情的になるのではなく、理詰めが激しくなる。
 この時も手加減一切なし状態になった。
 理論で押さえ、知識でやり込め、ここぞとばかりにとどめを刺しに振りかぶるっ!
「お前、このやろうっ!」
 と解説委員がキレて叫んで、時間切れ、放送終わり。
 明らかな放送事故である。
 放送を終えた直後、それまでまったく挨拶もしていなかった見知らぬ若い女性が寄ってきて、NHKの玄関でタクシーに乗るまでずっとエスコートしてくる。
 私の機嫌を損ねないようにか、見え透いたおべんちゃらばかり言いながら。
 これはおそらく、私が番組外で他の出演者と事故るのを怖れてのNHKの措置で、まるで狂犬扱いで不快だったが、ここでキレて事故を起こしては本物の狂犬に他ならぬ。
 大人しくタクシーに乗り込み、ホテルまで一直線。
 放送を聞いていた知人に電話してみると「感じ悪かった。もうお前と知り合いだと思われたくない」。
 温厚な解説委員を冷酷な私が追い詰め、ついにキレさせたように聞こえたらしい。
 今思えば、私は完全に、老獪な解説委員の策に落ちていたのだった。
 それまで出演したラジオはおおむね好評だったので、NHKの全国放送への出演が決まってからというもの、私は知人という知人に放送時間を知らせていた。
 当然、その知人という知人にはマスコミ関係も含まれる。
 結果、この放送事故はちょっとした語りぐさとなり、以来、テレビもラジオも出演依頼は一切、来なくなった。
 まあ、温厚な解説委員を怒らせてキレるまで追い込むような、いつ事故を起こすか分からん残虐非道で冷酷無比な狂犬、しかも代わりはなんぼでもいるのだから、当然と言えば当然である。
 畏るべし老獪な解説委員、気に食わぬ新進の評論家の潰し方など自家薬籠中のもの、お茶の子さいさいなのであろう。
 なのに「マスコミ・ドロップアウト」などと、格好の良いことを言って気取る甘さは救いようがない。
 依頼が絶えたらそれはただ「干された」のであって、自らの意思での「ドロップアウト」ではないのだよ。
 まったく。
 で、さて、もうそろそろ、テレビやラジオに復帰しても、いいかな?
「いいとも!」
 と、言って欲しいなぁ。
 今度は大人しく真面目に仕事するよ。
 老獪というような歳になったし、色々と、もう大丈夫だと思うからさ。


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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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