オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年09月19日

伊佐山紫文62

 息子が4歳の頃、ヤマハ音楽教室のCMを観て、
「これ、行きたい!」
 その前にヴァイオリンを習わそうとしたのだけれど、言葉が全く出ていない状況ではムリだと判断したことがある。
 4歳になり、少し言葉も出始め、それで「行きたい」である。
 早速体験教室に行き、それで、
「行きたい」
 となったので、もうその週からやりはじめた。
 最初のうちは「楽しい!」と行くのを楽しみにしていたし、エレクトーンも両手で弾いて、もしかして神童? などとぬか喜びしたりした。
 そのうちだんだんと他の、特に女の子たちとの差がついてきて、小学校に上がる頃には完全に落ちこぼれた。
 それでも少し練習した鍵盤を捨ててしまうのはもったいないので、ヤマハの個人のピアノ教室に通うことにしてもう四年目なのに、まだバイエル……
 7歳の頃、先生が業を煮やし、
「80曲あるのよ! こんな、1年に1曲みたいなペースでどうするの!」
「87になるまでやります」
「……」
 計算だけは出来るんです。
 で、今でもまだバイエル。
 私がピアノを始めたのは35歳で、CDと入門書による独学、もちろんモノにはなっていない。
 その数年前に阪神淡路大震災を体験し、思想的にも揺らいでいた時期だった。
 それでなんでピアノなのかは今になってもよく分からんが、これがもう、30過ぎて始めて、何かモノになるものではないことはひと月でわかった。
 すぐに弾かなくなった。
 それでもチェルニーくらいまでは弾いたぞ。
「僕、作曲の方が得意なんだよね」
 などと、息子は、得体の知れないメロディーを弾いたり、有りモノの歌をコピーしたりしているが、まあ、モノにはなるまい。
 ただ、私よりも美しく繊細な音を出すことだけは確かで、もっと練習すればいいのに、とは思う。
 今はただ、秋に出るという新作のゲームソフトのことで気もそぞろ。
 自分で様々な情報を集めてきては、
「▲△が○●らしくてね、だから確かめてみたいなぁって思うんだ」
 と、意味不明の専門用語を並べ立てて売り込んでくる。
「だったら、今日からいち日10分、ちゃんとピアノ弾けよ」
 さっそく、バイエルを弾き始めたはずが、あれ? なんだこりゃ?
「なにやってんの?」
「思いついたからね」
 バイエル弾きながら思いついたもんに変奏してちゃ練習にならんでしょ。
 まあいいよ、87までピアノ弾いて下さい。
 ボケ防止になるわ。

 

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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