2017年10月09日
伊佐山紫文85
学生時代、ほとんど毎日、私の下宿に通ってきていた友人がいて、そいつがあるとき、
「クラスの連中が、よくあんな、イサヤマみたいな恐ろしい男と付き合っていられるな、なんて言うんだよ。どこが恐ろしいんだ、付き合ってみれば、あれほど面白い男もいないよ、って言ったんだけどな」
まあ、その後の人生を考えると、どちらの言い分もよく分かる。
とにかく、普通の男たちにとって、私はそこにいるだけで恐ろしいらしい。
発言がとか、そういうもんじゃなく、存在自体が恐ろしい、らしい。
こういう不気味な雰囲気は、ある種の才能であって、中学の時の演劇では絶大な効果を発揮した。
文化祭の演し物で、わらしべ長者がだんだんと貧乏になっていくというバカバカしい芝居、貧乏自慢でほのぼのと終わるはずだった。
ところが、そのラストシーン、長者から全てを奪う私の演技に会場は凍り付いた。
セリフの無い無言の自然体の演技だったのだが、会場が恐怖に凍り付いたのが舞台の上からも分かった。
とにかく、私の登場自体が恐ろしかったのだ。
あまりに恐ろしくて長者の台詞が出てこなくなり、終われない。
どうやって芝居を終わらせたのか記憶にないが、後で、
「怖かった」
「恐ろしかった」
「出るべきじゃなかった」
と言われまくったのは憶えている。
それも、そう言ってくれるのは女子ばかりで、男子は何も言ってこない。
そう言えばラストでのクスクス笑いも、すべて女子のものだった。
実は男子こそが怖がっていたのだろうとは、当時の私にも分かった。
とにかく、存在自体が恐ろしいのだ。
今ならその理由もよく分かる。
良い意味でも悪い意味でも、私は常人ではないのだ。
そのことに気づいたのがつい最近、我が子の異常さを探る中で、というのが悲しいが、これもまた現実として受け入れるしかない。
そもそも高校時代、ルービックキューブの6面を自力で完成できたというのがオカシイ。
ルービック6面完成だけでも常人からみれば悪魔的な所行だということに、最近になって気づいたというのも、これもオカシイ。
学力とはほとんど関係のない、IQとも違う、特殊な頭の回転の速さ。
ルービックキューブの6面をそろえるような、実生活では全く役に立たない、むしろ邪魔になる、無駄な頭の回転の速さ。
息子の異常さを探る中で、この世というのは、そういう回転の速い脳を持った男(まれに女)が一定の数、生じてくる仕組みになっているらしいということが分かった。
で、その才能を、社会が生かすか殺すか。
組織的に生かそうという試みも英語圏では始まっているが、効果を上げているかどうかはまだ分かっていない。
日本では、もちろん、手も触れられていない。
ただ、少年院の子らのIQが一般の子らよりも高いことが分かってきて、一部の研究者が2E(ツーイー)とかWE(ダブルイー)とか言い出してはいる。
もしかしたら将来、今でいう「発達障害」などと同じように、社会の関心が向くこともあるのかも知れない。
もちろん、ものすごく遠い将来の話である。
息子の異常さに気付いて日本の児童心理の研究者とメールのやりとりをしていて、この人たちはアメリカの教育制度には強烈な関心があっても、日本の現実の子供には全く興味がないということが分かったから。
しばらくは、そういう子らは怖れられ、むしろ当人の社会的不適応とされて、ドロップアウトしていくしかないのだろう。
そういうことが50過ぎて分かってきたというのも悲しいが、まあ、仕方ない。
反面、こういう男は、男には怖れられるが、むしろ女性には面白がられる傾向にあるらしく、それなりに楽しい前半生ではありましたわ。
人生百年時代、後半生もそれなりに楽しくやっていくつもりなので、どうそ夜露死苦。
「クラスの連中が、よくあんな、イサヤマみたいな恐ろしい男と付き合っていられるな、なんて言うんだよ。どこが恐ろしいんだ、付き合ってみれば、あれほど面白い男もいないよ、って言ったんだけどな」
まあ、その後の人生を考えると、どちらの言い分もよく分かる。
とにかく、普通の男たちにとって、私はそこにいるだけで恐ろしいらしい。
発言がとか、そういうもんじゃなく、存在自体が恐ろしい、らしい。
こういう不気味な雰囲気は、ある種の才能であって、中学の時の演劇では絶大な効果を発揮した。
文化祭の演し物で、わらしべ長者がだんだんと貧乏になっていくというバカバカしい芝居、貧乏自慢でほのぼのと終わるはずだった。
ところが、そのラストシーン、長者から全てを奪う私の演技に会場は凍り付いた。
セリフの無い無言の自然体の演技だったのだが、会場が恐怖に凍り付いたのが舞台の上からも分かった。
とにかく、私の登場自体が恐ろしかったのだ。
あまりに恐ろしくて長者の台詞が出てこなくなり、終われない。
どうやって芝居を終わらせたのか記憶にないが、後で、
「怖かった」
「恐ろしかった」
「出るべきじゃなかった」
と言われまくったのは憶えている。
それも、そう言ってくれるのは女子ばかりで、男子は何も言ってこない。
そう言えばラストでのクスクス笑いも、すべて女子のものだった。
実は男子こそが怖がっていたのだろうとは、当時の私にも分かった。
とにかく、存在自体が恐ろしいのだ。
今ならその理由もよく分かる。
良い意味でも悪い意味でも、私は常人ではないのだ。
そのことに気づいたのがつい最近、我が子の異常さを探る中で、というのが悲しいが、これもまた現実として受け入れるしかない。
そもそも高校時代、ルービックキューブの6面を自力で完成できたというのがオカシイ。
ルービック6面完成だけでも常人からみれば悪魔的な所行だということに、最近になって気づいたというのも、これもオカシイ。
学力とはほとんど関係のない、IQとも違う、特殊な頭の回転の速さ。
ルービックキューブの6面をそろえるような、実生活では全く役に立たない、むしろ邪魔になる、無駄な頭の回転の速さ。
息子の異常さを探る中で、この世というのは、そういう回転の速い脳を持った男(まれに女)が一定の数、生じてくる仕組みになっているらしいということが分かった。
で、その才能を、社会が生かすか殺すか。
組織的に生かそうという試みも英語圏では始まっているが、効果を上げているかどうかはまだ分かっていない。
日本では、もちろん、手も触れられていない。
ただ、少年院の子らのIQが一般の子らよりも高いことが分かってきて、一部の研究者が2E(ツーイー)とかWE(ダブルイー)とか言い出してはいる。
もしかしたら将来、今でいう「発達障害」などと同じように、社会の関心が向くこともあるのかも知れない。
もちろん、ものすごく遠い将来の話である。
息子の異常さに気付いて日本の児童心理の研究者とメールのやりとりをしていて、この人たちはアメリカの教育制度には強烈な関心があっても、日本の現実の子供には全く興味がないということが分かったから。
しばらくは、そういう子らは怖れられ、むしろ当人の社会的不適応とされて、ドロップアウトしていくしかないのだろう。
そういうことが50過ぎて分かってきたというのも悲しいが、まあ、仕方ない。
反面、こういう男は、男には怖れられるが、むしろ女性には面白がられる傾向にあるらしく、それなりに楽しい前半生ではありましたわ。
人生百年時代、後半生もそれなりに楽しくやっていくつもりなので、どうそ夜露死苦。
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