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2018年01月28日

伊佐山紫文142

『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳』
アントニオ・R・ダマシオ著 田中三彦訳 ちくま学芸文庫
 デカルトは心身二元論を説いたと言われる。
 心を理性と情動とに分け、理性は、身体に由来する情動とは別のものだとした。
 どのような感情を抱いていようが、1+1=2という結論と、この真理を認識する理性は揺らがない。
 親の葬儀の日であろうが、結婚式当日であろうが、真理とそれを認識する理性は不変である。
 本当にそうか?
 と、著者は豊富な神経病理学の症例を下に、心身二元論、すなわち、理性と情動は別物だとするデカルトの説を打ち崩す。
 たとえば脳を損傷し正常な情動を失った患者は理性的な行動をとれなくなる。
 これを証明するためのゲームとその結果には、アッと驚くより、ゾッとする。
 なぜそこまでしてデカルトの心身二元論を糺さなければならないのか?
 デカルトは他にも、今日から見れば色々変なことを言ってるのに。
 それについては巻末の「補遺」が分かりやすく、まずはここから読むべきだろう。
 なぜ「心」の医学の発達が遅れたのか、著者の問題意識と共に知ることが出来る。
 確かにデカルトは心身二元論では間違った。
 けれど、複雑な問題を部分に分け、そこで仮説をたて検証し続ける、仮説検証系という「方法」については未だにデカルトは生き生きと生きている。
 本書はその誇らしい実例の一つである。

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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