オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2018年12月07日

伊佐山紫文

 昨日、夜七時頃、風呂から上がって、そろそろ夕食の用意かなと思っていたところ、携帯が鳴った。
 座長(社長)である。
 なにごと、と思って取ると、次回公演(『クララ・シューマン 天才のヨメはん』です、よろしく)の歌を歌ってたら涙が出てきたと。
 それだけ。
 今回は歌のメロディだけを勝手にストーリーにのせたってのじゃなく、原詩を生かした訳詞なわけで、作曲家が詩に感じたままが日本語になってる。
 おそらく、ドイツ語人が原詩の歌を聞いて感じるような感覚を、今回の歌を聞いて日本語人も同じように覚えるはずだ。
 と、思う。
 そんなふうに作ったから。
 それをまずは座長で実証したってわけだ。
 やっぱ、言葉って大事なんだよ。
 とかって思いながら、M1を観て大笑いしながら、もう言葉じゃないんだなとも思った。
 優勝した霜降り和牛、じゃない、霜降り明星なんか、あれ、ラジオで聞いて理解できるだろうか。
 理解はしても、面白いか?
 そもそもボケが言葉じゃなく、キレの良いダンスと言っても良いようなパフォーマンスだから、生かテレビでなければ伝わらない。
 ツッコミは確かに観客の期待の斜め上を行っていて、話芸としても素晴らしいが、それはビジュアルとして面白いボケがあってのこと。
 毎年のことだが、M1には色々考えさせられる。
 先日の舞台、私が脚本を担当した『島ひきおに』も、演出担当の畏友樋口君の舞台美術がなければ、あれほどの感動をもたらし得たか。
 それはもう絶対に否である。
 歌舞伎座から借りてきた背景、それから島の妖精というアイデア、そして手作りの妖精のお立ち台。
 私には発想すら出来ないし、発想したとしても手配が出来ない、作れない。
 だからこそ、分業なんだと思う。
 最近ハマってる脳科学に依れば、言葉とビジュアルとでは使う脳の部位が違うらしい。
 言葉の天才が、必ずしもビジュアルの天才であるとは限らない。
 まあ、当然といえば当然。
 だから、音楽芝居のような総合芸術では分業が必要って事ですわ。
 脚本、音楽、演出、それぞれに分担し、ケンカしながら、ひとつの舞台を作って行くって事。
 そこにはもちろん、ウチの座長みたいな総合プロデューサーが必要ですけどね。
 M1の話に戻れば、霜降り明星、昨夜の同じネタを今朝、朝の番組でやっていた。
 眠れてないんだろうな、やっぱり、キレが悪かった。
 漫才も身体に拘束されたパフォーマンスなんだと、改めて思った。
 何事も基礎は身体です。
 だからこそ、身体を揺り動かし、歌手が涙を流すような歌詞を書くこと。
 それがまあ、私の仕事と言えば仕事。
 今回はそれなりの仕事が出来たんじゃないだろうか。
 と、思った。

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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