2018年12月09日
伊佐山紫文243
中学の、あれは何の会だったのか全く忘れてしまったが、とにかくお楽しみ会みたいな全校集会の催しで、当時3年生だった私たちはお芝居を披露した。
どういう理由で選ばれたのか分からない、各クラスの芝居の出来そうな連中七八人ほどが集まって、一つの芝居をやる、と。
演し物は決まっている。
「わらしべ長者」の逆。
長者がドンドン貧乏になっていくという、誰が考えたのかよく分からない、まあ、おそらく、その芝居を受け持った、日教組の活動家の社会科教員が金持ちルサンチマンで作った台本なのだろう。
これがつまらない。
実に下らない。
オチないのである。
とにかく芝居に限らず物語はすべて、終わりよければすべてよし、なのに、終わりが良くない。
そもそも最後に残った「わらしべ(わら)」をなんで気前よくそこらの子供に渡すのかがわからない。
で、当時、なんで選ばれたのか分からないが、デビュー前の新進気鋭の脚本家にしてデビュー前の詩人である私が脚色を加えた。
ラストは、得体の知れない謎の子供が現れて長者につきまとい、長者が死守しようとする「わらしべ」を奪って去るという喜劇に変えた。
自分の最後のよりどころを失って、長者はオロオロと泣くのである。
この悲劇が喜劇として成立するためには、「わらしべ」という無価値なものを求めての無価値な争いをいかに面白く価値ある争いに見せるかがミソとなる。
無価値なものを求める謎の子供と、客観的には無価値な「わらしべ」を死守する長者。
長者はこれまでの芝居でキャラは固まっているからそれでいい。
問題は子供である。
突然現れ、無意味に「わらしべ」を求め、奪い合いを演じる。
こんなことが出来る役者なんて、私以外、誰がいる?
もちろん、私が演じた。
そして「わらしべ」を奪い合う場面はウケにウケ、何人もの教員から、腹がネジれるほど笑った、との言葉をもらった。
私は謎の子供を演じていたつもりなのだが、素のままの私が出ていて良かったと言われ、少々複雑な気持ちがしたものである。
と、そんなことを思い出したのは、昨日、浅川座長(社長)と打ち合わせをしていて、なぜアナタは舞台に出ないの、と唐突に聞かれたから。
そう言えば、NHK大河ドラマにも役付きで出演した正統派の役者であり、パトリア日田の舞監にして偉大な演出家の畏友樋口君にも、この間、日田に帰った時に、
「なんで役者になろうと思わなかった?」
などと、頓珍漢なことを聞かれた。
ハァ?
私が役者?
オカシイだろ、そんな。
それでも浅川座長が言うには、
「人前に出るの、嫌いじゃないでしょ。今度はアナタも出ようよ」
いったい何の役で、だよ。
「もう残りの人生、そんなにないでしょ。やりたいことを見つけてから迷ってたんじゃ遅いと思うの」
まあよく分からんが、そのうち役者デビューするかもね。
どういう理由で選ばれたのか分からない、各クラスの芝居の出来そうな連中七八人ほどが集まって、一つの芝居をやる、と。
演し物は決まっている。
「わらしべ長者」の逆。
長者がドンドン貧乏になっていくという、誰が考えたのかよく分からない、まあ、おそらく、その芝居を受け持った、日教組の活動家の社会科教員が金持ちルサンチマンで作った台本なのだろう。
これがつまらない。
実に下らない。
オチないのである。
とにかく芝居に限らず物語はすべて、終わりよければすべてよし、なのに、終わりが良くない。
そもそも最後に残った「わらしべ(わら)」をなんで気前よくそこらの子供に渡すのかがわからない。
で、当時、なんで選ばれたのか分からないが、デビュー前の新進気鋭の脚本家にしてデビュー前の詩人である私が脚色を加えた。
ラストは、得体の知れない謎の子供が現れて長者につきまとい、長者が死守しようとする「わらしべ」を奪って去るという喜劇に変えた。
自分の最後のよりどころを失って、長者はオロオロと泣くのである。
この悲劇が喜劇として成立するためには、「わらしべ」という無価値なものを求めての無価値な争いをいかに面白く価値ある争いに見せるかがミソとなる。
無価値なものを求める謎の子供と、客観的には無価値な「わらしべ」を死守する長者。
長者はこれまでの芝居でキャラは固まっているからそれでいい。
問題は子供である。
突然現れ、無意味に「わらしべ」を求め、奪い合いを演じる。
こんなことが出来る役者なんて、私以外、誰がいる?
もちろん、私が演じた。
そして「わらしべ」を奪い合う場面はウケにウケ、何人もの教員から、腹がネジれるほど笑った、との言葉をもらった。
私は謎の子供を演じていたつもりなのだが、素のままの私が出ていて良かったと言われ、少々複雑な気持ちがしたものである。
と、そんなことを思い出したのは、昨日、浅川座長(社長)と打ち合わせをしていて、なぜアナタは舞台に出ないの、と唐突に聞かれたから。
そう言えば、NHK大河ドラマにも役付きで出演した正統派の役者であり、パトリア日田の舞監にして偉大な演出家の畏友樋口君にも、この間、日田に帰った時に、
「なんで役者になろうと思わなかった?」
などと、頓珍漢なことを聞かれた。
ハァ?
私が役者?
オカシイだろ、そんな。
それでも浅川座長が言うには、
「人前に出るの、嫌いじゃないでしょ。今度はアナタも出ようよ」
いったい何の役で、だよ。
「もう残りの人生、そんなにないでしょ。やりたいことを見つけてから迷ってたんじゃ遅いと思うの」
まあよく分からんが、そのうち役者デビューするかもね。
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