2019年01月07日
伊佐山紫文257
息子が朝食後にバヤリースオレンジを飲んでいて、咽せて戻した。
その人工的な臭いの残るコタツでこれを書いている。
「これって、果汁10%だよね。味がオカシイ」
などと、自分が買ってきてくれと言っておきながら、言い訳がましく。
ウチではこんなものみずから買うわけもなく、それこそ学校の春の社会見学で行った工場で初めて飲んで感激し、また飲みたいとなったわけで、それがまた飲んでみて「オカシイ」ことに気づいたんだから、まあ、良しとしよう。
うちじゃ、最低でも濃縮還元の100%ジュースだし、ことオレンジに関しては絶対にストレートで譲らない。
だからバヤリースの軽さに感動したのかも知れないが、とにかく焼酎を割るにはストレートなのだよ。
それで、息子が言うには、
「なんで、水と空気と、通る場所が違うんだろ。空気を通る場所にジュースが入ったから吐いたんだろ。なんでだろ」
うん。
良いところに気がついた。
確かに、誤嚥性肺炎と言って、気管に食べ物が入ることで肺炎を起こして死ぬ年寄りは後を絶たない。
これからの季節、餅を喉に詰まらせて死ぬ年寄りも相当数、出るだろう。
もし人間が、他の生き物と同様、鼻からしか息をしなかったら。
消化管で呼吸をしていなかったら、こんな事故は起こりえなかったはずだ。
これは進化的に見ても、かなりオカシイ事態である。
なぜなのか。
こんな危険を冒してまで、口で呼吸をする意味があるのか。
あるのだ。
それは、人間が人間になるために、必要不可欠なことだった。
人間と他の動物とを分かつもの。
それは言葉である。
人間が言葉を発するためには、呼吸による呼気が必要だった。
本来、食物消化の道具である口腔や咽頭を使って呼気を調節し、分節言語を発すること。
そのためには口で呼吸することが出来なければならない。
他の哺乳類は全て、人類と最も近縁なチンパンジーやゴリラでさえ、口で呼吸はしていない。
叫び声に聞こえるものも、すべて、呼吸ではなく、一時的に口腔に入れた空気で発しているだけだ。
呼気を利用して、叫び声ではなく、分節化された言語を操るのは人類だけである。
このような、呼気を利用して言語を操ることが出来る者たちが選択されて生き残って来たのである。
それでは、言語が進化上、有利になるのは、いったいどんな場面だろう。
ここで、進化学説上のコペルニクス的転回が起きるのだが、その証明の数学的基礎はここでは書ききれないし、必要もない。
みんな、経験上、わかる。
これまで学問上、無視してきただけのことだから。
言語が出来るものが有利になる状況、それは「つげぐち」である。
あの子が、実際は誰の子であるか、その情報を共有するために「つげぐち」をする。
情報を共有し、つまりは秘密による共同体を作り、団結力を高める。
以前はこれを「マキャベリ的知性仮説」と呼んでいたが、あまりにマキャベリの権謀術数的なイメージが強すぎるし、本当はとても良い人だったマキャベリに悪いと言うことで、今では「社会脳仮説」と言うらしい。
で、ここからがコペルニクス的転回なのだが、この社会脳的知性を担い培い育てたのは誰なのか。
端的に言えば、オスなのか、メスなのか。
自然、文化双方の人類学的な研究から、おそらく、この知性を担い培い育てたのはメスだろうという結論が出ている。
それまでの進化学は、オスの行動の研究が中心で、オスがどのようにふるまい、オス同士でどのように争い、どのようにメスを選ぶかが研究されてきた。
オスの行動が進化を促してきた、と、暗黙の内に前提されていたのである。
ところが、こと人類の、人類が人類となる決定的な場面においては、メスのふるまいが鍵となっていたのである。
これは経験的にも理解できる。
女の子の方が言葉を早く覚え、ままごとのような社会的な遊びをし、恋愛についての情報交換「恋バナ」を活発にし、大人びている。
人間が人間らしいと言ったとき、そのほとんどの特徴は女性のものである。
逆に、ケモノのようなと言ったとき、そのふるまいはたいていは男性のものである。
人間が人間になるためには、まずは口呼吸が必要で、そしてその口呼吸を利用して「つげぐち」や「恋バナ」に花を咲かせるメスたちが不可欠だった。
「女子は成熟が早くてコミュニケーション能力が高いので……」
などと言った医学部の先生の言い訳は、直感的に最近の進化学説の本質に触れている。
だからこそ許されんのだよ。
そもそも人類創生期の医療はメスが担ったと言われている。
そのような創生期の医療などを「魔術」として排除したのが近代科学だった。
ニュートンは魔女の存在を信じていたし、その手の著作もモノしている。
医学部の先生も科学者なら、進化学説上のコペルニクス的転回くらい知っておいたほうが良いと思うよ。
あ、もう学校?
行ってらっしゃい。
その人工的な臭いの残るコタツでこれを書いている。
「これって、果汁10%だよね。味がオカシイ」
などと、自分が買ってきてくれと言っておきながら、言い訳がましく。
ウチではこんなものみずから買うわけもなく、それこそ学校の春の社会見学で行った工場で初めて飲んで感激し、また飲みたいとなったわけで、それがまた飲んでみて「オカシイ」ことに気づいたんだから、まあ、良しとしよう。
うちじゃ、最低でも濃縮還元の100%ジュースだし、ことオレンジに関しては絶対にストレートで譲らない。
だからバヤリースの軽さに感動したのかも知れないが、とにかく焼酎を割るにはストレートなのだよ。
それで、息子が言うには、
「なんで、水と空気と、通る場所が違うんだろ。空気を通る場所にジュースが入ったから吐いたんだろ。なんでだろ」
うん。
良いところに気がついた。
確かに、誤嚥性肺炎と言って、気管に食べ物が入ることで肺炎を起こして死ぬ年寄りは後を絶たない。
これからの季節、餅を喉に詰まらせて死ぬ年寄りも相当数、出るだろう。
もし人間が、他の生き物と同様、鼻からしか息をしなかったら。
消化管で呼吸をしていなかったら、こんな事故は起こりえなかったはずだ。
これは進化的に見ても、かなりオカシイ事態である。
なぜなのか。
こんな危険を冒してまで、口で呼吸をする意味があるのか。
あるのだ。
それは、人間が人間になるために、必要不可欠なことだった。
人間と他の動物とを分かつもの。
それは言葉である。
人間が言葉を発するためには、呼吸による呼気が必要だった。
本来、食物消化の道具である口腔や咽頭を使って呼気を調節し、分節言語を発すること。
そのためには口で呼吸することが出来なければならない。
他の哺乳類は全て、人類と最も近縁なチンパンジーやゴリラでさえ、口で呼吸はしていない。
叫び声に聞こえるものも、すべて、呼吸ではなく、一時的に口腔に入れた空気で発しているだけだ。
呼気を利用して、叫び声ではなく、分節化された言語を操るのは人類だけである。
このような、呼気を利用して言語を操ることが出来る者たちが選択されて生き残って来たのである。
それでは、言語が進化上、有利になるのは、いったいどんな場面だろう。
ここで、進化学説上のコペルニクス的転回が起きるのだが、その証明の数学的基礎はここでは書ききれないし、必要もない。
みんな、経験上、わかる。
これまで学問上、無視してきただけのことだから。
言語が出来るものが有利になる状況、それは「つげぐち」である。
あの子が、実際は誰の子であるか、その情報を共有するために「つげぐち」をする。
情報を共有し、つまりは秘密による共同体を作り、団結力を高める。
以前はこれを「マキャベリ的知性仮説」と呼んでいたが、あまりにマキャベリの権謀術数的なイメージが強すぎるし、本当はとても良い人だったマキャベリに悪いと言うことで、今では「社会脳仮説」と言うらしい。
で、ここからがコペルニクス的転回なのだが、この社会脳的知性を担い培い育てたのは誰なのか。
端的に言えば、オスなのか、メスなのか。
自然、文化双方の人類学的な研究から、おそらく、この知性を担い培い育てたのはメスだろうという結論が出ている。
それまでの進化学は、オスの行動の研究が中心で、オスがどのようにふるまい、オス同士でどのように争い、どのようにメスを選ぶかが研究されてきた。
オスの行動が進化を促してきた、と、暗黙の内に前提されていたのである。
ところが、こと人類の、人類が人類となる決定的な場面においては、メスのふるまいが鍵となっていたのである。
これは経験的にも理解できる。
女の子の方が言葉を早く覚え、ままごとのような社会的な遊びをし、恋愛についての情報交換「恋バナ」を活発にし、大人びている。
人間が人間らしいと言ったとき、そのほとんどの特徴は女性のものである。
逆に、ケモノのようなと言ったとき、そのふるまいはたいていは男性のものである。
人間が人間になるためには、まずは口呼吸が必要で、そしてその口呼吸を利用して「つげぐち」や「恋バナ」に花を咲かせるメスたちが不可欠だった。
「女子は成熟が早くてコミュニケーション能力が高いので……」
などと言った医学部の先生の言い訳は、直感的に最近の進化学説の本質に触れている。
だからこそ許されんのだよ。
そもそも人類創生期の医療はメスが担ったと言われている。
そのような創生期の医療などを「魔術」として排除したのが近代科学だった。
ニュートンは魔女の存在を信じていたし、その手の著作もモノしている。
医学部の先生も科学者なら、進化学説上のコペルニクス的転回くらい知っておいたほうが良いと思うよ。
あ、もう学校?
行ってらっしゃい。
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