2019年02月11日
伊佐山紫文290
『天涯の子ら』諌山陽太郎著 鳥影社
今だから言えるが、角川映画と関係のあったころ、主な仕事はゴーストライターだった。
詳しくは言えないが、二時間の映画のシナリオなど、そうそう書けるものではないのだ。
数日でひと作品書き上げる私は、ある意味、重宝されていた。
そのうちどれほどが実際に上映されたのか、今でも分からない。
現場がグチャグチャになってから持ち込まれるので、上演されないことの方が多かったのではないだろうか。
そんな程度のこと。
で、当時の常務から、あまりにゴーストの仕事ばっかりで申し訳ないから、今度はイサヤマ君自身の物語を書きなさい、出版はもちろん、映画化もバックアップするから、という申し出を受けた。
待ってました!
この日のためにゴーストライターに甘んじていたのです。
それまでルポや評論を書きまくっていたけれど、もちろん売れず、最後の賭けに出たわけだ。
それで渾身の力を振り絞って書き上げたのが、本作、
『天涯の子ら』
である。
阪神淡路大震災5周年記念と銘打って、震災を横軸に、主人公の出自を縦軸に、戦前から震災までの家族の物語を編み上げた。
映画化を前提に、緻密な構成で、泣ける、笑える物語を紡いだ。
のは良いが、その後、期待していた角川の常務は社内の権力闘争に敗れ、出版社は二転三転、映画化なんてとんでもない。
それでも、今や日本を代表する大監督の処女作を手がけた、小さな出版・映像プロダクションからの出版となった。
神戸新聞、読売新聞に好意的な書評も出て、公的な機関が選ぶ「震災文芸」にも選ばれ、映画化についても大いに期待したものだったけれど、ついぞ話が来ることはなかった。
ところがある日、これを読んでくれた作家から、一人の映画プロデューサーを紹介された。
これは映画になる、作ろうよ、と。
問題は金で、頑張ってくれたんだろうけど、結局はクランクインすら出来なかった。
過去にどれだけヒット作を飛ばしていようが、金を集めることが出来なきゃ駄目でしょ。
いや、それより、私の作品に力が足りなかったのだろうと。
泣く泣く諦めたのだった。
で、今回、オーディションの審査員を務めることもあって、読み返してみた。
結論。
そんなことはない。
傑作です。
久しぶりに小説を読んで泣きました。
何度も何度も。
若書きの部分はあるけれど、ちゃんとした知的な娯楽作品として成立している。
震災当時住んでいた西宮の地名も懐かしい。
20年前、角川のお家争いに巻き込まれ、一時期は出版を断念しようとしたこともあるが、こうして読み返すと、しんどいながらも版元を見つけて上梓していて本当によかったと思う。
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E6%B6%AF%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%82%89-%E8%AB%AB%E5%B1%B1-%E9%99%BD%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4886294561/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1549808061&sr=1-3&keywords=%E5%A4%A9%E6%B6%AF%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%82%89#immersive-view_1549886079738
今だから言えるが、角川映画と関係のあったころ、主な仕事はゴーストライターだった。
詳しくは言えないが、二時間の映画のシナリオなど、そうそう書けるものではないのだ。
数日でひと作品書き上げる私は、ある意味、重宝されていた。
そのうちどれほどが実際に上映されたのか、今でも分からない。
現場がグチャグチャになってから持ち込まれるので、上演されないことの方が多かったのではないだろうか。
そんな程度のこと。
で、当時の常務から、あまりにゴーストの仕事ばっかりで申し訳ないから、今度はイサヤマ君自身の物語を書きなさい、出版はもちろん、映画化もバックアップするから、という申し出を受けた。
待ってました!
この日のためにゴーストライターに甘んじていたのです。
それまでルポや評論を書きまくっていたけれど、もちろん売れず、最後の賭けに出たわけだ。
それで渾身の力を振り絞って書き上げたのが、本作、
『天涯の子ら』
である。
阪神淡路大震災5周年記念と銘打って、震災を横軸に、主人公の出自を縦軸に、戦前から震災までの家族の物語を編み上げた。
映画化を前提に、緻密な構成で、泣ける、笑える物語を紡いだ。
のは良いが、その後、期待していた角川の常務は社内の権力闘争に敗れ、出版社は二転三転、映画化なんてとんでもない。
それでも、今や日本を代表する大監督の処女作を手がけた、小さな出版・映像プロダクションからの出版となった。
神戸新聞、読売新聞に好意的な書評も出て、公的な機関が選ぶ「震災文芸」にも選ばれ、映画化についても大いに期待したものだったけれど、ついぞ話が来ることはなかった。
ところがある日、これを読んでくれた作家から、一人の映画プロデューサーを紹介された。
これは映画になる、作ろうよ、と。
問題は金で、頑張ってくれたんだろうけど、結局はクランクインすら出来なかった。
過去にどれだけヒット作を飛ばしていようが、金を集めることが出来なきゃ駄目でしょ。
いや、それより、私の作品に力が足りなかったのだろうと。
泣く泣く諦めたのだった。
で、今回、オーディションの審査員を務めることもあって、読み返してみた。
結論。
そんなことはない。
傑作です。
久しぶりに小説を読んで泣きました。
何度も何度も。
若書きの部分はあるけれど、ちゃんとした知的な娯楽作品として成立している。
震災当時住んでいた西宮の地名も懐かしい。
20年前、角川のお家争いに巻き込まれ、一時期は出版を断念しようとしたこともあるが、こうして読み返すと、しんどいながらも版元を見つけて上梓していて本当によかったと思う。
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E6%B6%AF%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%82%89-%E8%AB%AB%E5%B1%B1-%E9%99%BD%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4886294561/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1549808061&sr=1-3&keywords=%E5%A4%A9%E6%B6%AF%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%82%89#immersive-view_1549886079738
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