2019年03月10日
伊佐山紫文298
『第二次世界大戦の起源』
A・J・P・テイラー著 吉田輝夫訳
講談社学術文庫
第二次世界大戦は、邪悪なヒトラーが引き起こした侵略戦争である。
という通説をひっくり返した名著。
ヒトラーは確かに邪悪な人間ではあったが、それ以上に、英仏の指導者は愚かだったし、特にポーランドは身の程知らずの尊大さに陥っていた。
とにかく、第一次世界大戦後の国境の線引きが色んな意味で間違っていた。
領土として割譲されても、そこにはドイツ人がいるわけで、今日からフランスと言われても、住民には到底納得出来まい。
そういう、当時のドイツ領土の外からナチの嵐は吹き荒れて来たのであって、ヒトラーはそれをなだめるのに苦心していた。
しかも、ナチの幹部は豪奢な生活に溺れ、戦争を起こす気などさらさらなかった。
ドイツを含め、英仏の誰一人、戦争を望んでなどいなかったのだ。
じゃあなぜ、戦争は起きたのか。
ここに、現在なぜEUがあるのか、その理由が見えてくる。
結局はドイツという化け物を押さえ込む仕組みなのだ。
皆、EUがドイツ第四帝国に他ならないことは承知していて、それでもこの枠組みを維持していれば戦争は起きないからと、しかたなく納得しているのだ。
EUが崩壊し、民族国家という枠組みが復活すれば、ドイツを起点に戦争は必ず起こる。
そのことを本書はしっかりと教えてくれる。
背景知識がなければ決して読みやすい本ではないが、訳者解説を含め、今こそ読み返すべき一冊であろう。
A・J・P・テイラー著 吉田輝夫訳
講談社学術文庫
第二次世界大戦は、邪悪なヒトラーが引き起こした侵略戦争である。
という通説をひっくり返した名著。
ヒトラーは確かに邪悪な人間ではあったが、それ以上に、英仏の指導者は愚かだったし、特にポーランドは身の程知らずの尊大さに陥っていた。
とにかく、第一次世界大戦後の国境の線引きが色んな意味で間違っていた。
領土として割譲されても、そこにはドイツ人がいるわけで、今日からフランスと言われても、住民には到底納得出来まい。
そういう、当時のドイツ領土の外からナチの嵐は吹き荒れて来たのであって、ヒトラーはそれをなだめるのに苦心していた。
しかも、ナチの幹部は豪奢な生活に溺れ、戦争を起こす気などさらさらなかった。
ドイツを含め、英仏の誰一人、戦争を望んでなどいなかったのだ。
じゃあなぜ、戦争は起きたのか。
ここに、現在なぜEUがあるのか、その理由が見えてくる。
結局はドイツという化け物を押さえ込む仕組みなのだ。
皆、EUがドイツ第四帝国に他ならないことは承知していて、それでもこの枠組みを維持していれば戦争は起きないからと、しかたなく納得しているのだ。
EUが崩壊し、民族国家という枠組みが復活すれば、ドイツを起点に戦争は必ず起こる。
そのことを本書はしっかりと教えてくれる。
背景知識がなければ決して読みやすい本ではないが、訳者解説を含め、今こそ読み返すべき一冊であろう。
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