「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2018年03月04日

伊佐山紫文152

『自死の日本史』モーリス・パンゲ著 竹内信夫訳 講談社学術文庫
 まずは日本人の「自死」(意思による死)が、西洋の「自殺」と違ったものであるか縷々説かれる。
 これは、もともとフランス語での、フランスでの出版という事情によるのだろう。
 それでも、日本人が読んでも新たな気付きに満ちている。
 神戸事件の瀧善三郎にも言及があり、日本人への愛に満ちた素晴らしい著作である。
 著者はロラン・バルトとも親交があったと言うが、文体にも内容にも、ポストモダン臭さは微塵もない。
 と言っては言いすぎかも知れない。
 時代の刻印は端々に押されている。
 それでも、何より訳が素晴らしい。
 本文600ページを超える大著ながら、一気に読ませる。
 訳者の竹内信夫先生はベルクソンの個人訳全集の刊行を昨年、自身の健康を理由に中断された。
 一日も早い回復を祈りたい。
2018年03月04日

伊佐山紫文151

『孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか』
ジョン・T・カシオポ/ウィリアム・パトリック著 柴田裕之訳 河出文庫
 人はなぜ「孤独」に耐えられないのか?
 それを進化心理学の方法によって明らかにしていく。
 問題点が二つ。
 一つ、ドーキンス『利己的遺伝子』への誤解を招きかねない記述がある。
 ドーキンスが主張するのは、自然淘汰を受けるのは個体ではなく遺伝子である、よって利己的な遺伝子のみが残っていく、という事実だ。
 一見利他的に見える固体の行動であっても、遺伝子レベルで観ると利己的であることはハミルトンが簡潔な数式(C<R×B)で示したとおりである。
 二つ、ジェンダーの視点が欠けている。
 別にフェミニズムに歩み寄れというのではない。
 オスとメスでは配偶者選択のみではなく、生存戦略まで違っていることは、近年の生物学があきらかにしてきたところである。
「孤独」への耐性が違ってくることも当然あるだろう。
 孤独への耐性の有無を問う前に、性差を問題にすべきだったのではないか。
 文句ばかり垂れることになったが、本書が進化心理学への、最良とは言わぬまでも、手頃な入門書であることに間違いはない。
プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

< 2018年03>
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