2019年04月06日
伊佐山紫文322
タレントの薬物汚染云々でワイドショーがやかましい。
だったらテレビ消せ、という話だが、夙川座の次回公演『クララ・シューマン 天才のヨメはん』は一部薬物中毒のシーンを含む。
だから、このテーマが日本社会でどれほどの重みを持っているのか、肌で感じておきたい。
そこで議論されている論点のうち、今の私たちにとって最も重要なのは、薬物使用はもちろん犯罪だとして、一方で、その犯罪を犯したクリエーターの作品まで市場から消す必要があるのかという問題である。
作品に罪はない、というのは簡単だが、問題はそう単純ではない。
自主規制の理由として、こんな議論まであるからだ。
例えばその作品に感動したクリエーターが、自分も薬物さえやれば同様の作品が作れるのではないかと思い込んだとする。
これは薬物へ向かう動機としては十分ではないか。
だから将来の薬物依存を防ぐために、薬物によって作られた作品を野放しにすべきではない、と。
実際、私も、そういう動機で薬物に手を出そうとしたクリエーターを知っている。
この人の場合、金がなくて、もっと安手の薬物に手を出したのだったが。
その結果、アル中で、若くしてほとんど廃人である。
もし予防を理由で規制をかけるなら、モーツァルトは完全にアウトだし、シューベルトもヤバい。
我らがロベルト・シューマンはもちろん、場合によってはビートルズも駄目かも。
音楽だけじゃない。
第一次戦後派の仲でも、太宰治や坂口安吾らいわゆる無頼派は全部アウト。
画家でも……
とやっていったら、この世から芸術という芸術が消えてしまいかねない。
酒さえ、禁止の対象になるかも知れない。
あるいはカフェインも。
結局のところ、問題は、向精神薬と人類との付き合いの歴史が短かすぎることにある。
私たちは今、向精神薬にハマる遺伝子を持った人間が次々と淘汰されつつある、まさにその現場にいるのだと思う。
ワイドショーは、あるいは文化淘汰とでも言うような形で、向精神薬の誘惑に負けるような生存価の低い遺伝子が排除されつつある、そのドキュメンタリーなのかも知れない。
この議論があまり上品に感じられないのも、論点が「犯罪」ではなく、薬物に依存する人の「人間性」が問われているからだ。
「人間性」という呼び名で、実際問われているのは、薬物に依存する性向を持った「遺伝子」である。
その人にとってはどうしようもない性向(遺伝子)を、その性向を持たない人たちがよってたかって排除する。
薬物汚染を排除するのは当然として、ただ、その様子が、たまらなく下品に感じられるのには、ここにも私は、進化上の理由がある、と思う。
だったらテレビ消せ、という話だが、夙川座の次回公演『クララ・シューマン 天才のヨメはん』は一部薬物中毒のシーンを含む。
だから、このテーマが日本社会でどれほどの重みを持っているのか、肌で感じておきたい。
そこで議論されている論点のうち、今の私たちにとって最も重要なのは、薬物使用はもちろん犯罪だとして、一方で、その犯罪を犯したクリエーターの作品まで市場から消す必要があるのかという問題である。
作品に罪はない、というのは簡単だが、問題はそう単純ではない。
自主規制の理由として、こんな議論まであるからだ。
例えばその作品に感動したクリエーターが、自分も薬物さえやれば同様の作品が作れるのではないかと思い込んだとする。
これは薬物へ向かう動機としては十分ではないか。
だから将来の薬物依存を防ぐために、薬物によって作られた作品を野放しにすべきではない、と。
実際、私も、そういう動機で薬物に手を出そうとしたクリエーターを知っている。
この人の場合、金がなくて、もっと安手の薬物に手を出したのだったが。
その結果、アル中で、若くしてほとんど廃人である。
もし予防を理由で規制をかけるなら、モーツァルトは完全にアウトだし、シューベルトもヤバい。
我らがロベルト・シューマンはもちろん、場合によってはビートルズも駄目かも。
音楽だけじゃない。
第一次戦後派の仲でも、太宰治や坂口安吾らいわゆる無頼派は全部アウト。
画家でも……
とやっていったら、この世から芸術という芸術が消えてしまいかねない。
酒さえ、禁止の対象になるかも知れない。
あるいはカフェインも。
結局のところ、問題は、向精神薬と人類との付き合いの歴史が短かすぎることにある。
私たちは今、向精神薬にハマる遺伝子を持った人間が次々と淘汰されつつある、まさにその現場にいるのだと思う。
ワイドショーは、あるいは文化淘汰とでも言うような形で、向精神薬の誘惑に負けるような生存価の低い遺伝子が排除されつつある、そのドキュメンタリーなのかも知れない。
この議論があまり上品に感じられないのも、論点が「犯罪」ではなく、薬物に依存する人の「人間性」が問われているからだ。
「人間性」という呼び名で、実際問われているのは、薬物に依存する性向を持った「遺伝子」である。
その人にとってはどうしようもない性向(遺伝子)を、その性向を持たない人たちがよってたかって排除する。
薬物汚染を排除するのは当然として、ただ、その様子が、たまらなく下品に感じられるのには、ここにも私は、進化上の理由がある、と思う。
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