オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2019年10月03日

伊佐山紫文406

「OSAKAもの・ことづくりオープンフォーラム」
 という催しに参加してきた。
 内容は検索すれば出てくるので他に譲るが、興味深いことが幾つかあった。
 なかでも、パネリストの皆さんが皆「歴史」を自らの財産として語り、議論を深めていったことには「さもありなん」と膝を打った(実際には打たなかったが)。
 この場合の「歴史」とは「ストーリー」としての「ヒストリー」であり、言ってみれば「由来話」、端的には「物語」である。
 思うに、人間の歴史は「物語」と「反物語」を波打つように反復し、反復し、飽くことなく反復してきた。
 平成の30年は「反物語」のポストモダンの時代であり、無歴史、無故郷、グローバリズムとコスモポリタニズムの、無色透明でサラサラなモノゴトが価値とされた。
 そこでの歴史は単なる「事実」であって、「事実」と「事実」を繋ぐ試みは、客観性を欠く、単なる「物語」だとして排斥された。
 実存主義はおどろおどろしいだけだし、マルクス主義はソ連と一緒に滅んだし、故郷は捨てて懐かしむものでしかないし、家族など社会的構築物でしかない。
 全ては「物語」でしかないのだ。
「物語」など、「神話」と一緒、我々を縛る鎖でしかない。
 さあ、「物語」や「神話」を解体し、自らを縛る鎖を解いて自由になろう!
 てなわけで、これはもう人類の歴史が繰り返してきた思想史的波の一方の際だとしか言い様がない。
 で、それが行き詰まって、令和の時代、再び「物語」が復活してきた。
 それを「ナショナリズム」だとか「ポピュリズム」だとか、ある種の人々は言いつのるのだろうが、まあ、勝手にすれば良い。
 時代の波は変えられない。
 しかも、最新の脳科学の知見によれば、私たちの脳は「物語」を欲しており、「物語」を通してしか事物を認識することは出来ない。
 とすれば、人が、人に、何かを伝えようとすれば、「物語」(つまり歴史)を利用するのが手っ取り早いし、確実だと言うことだ。
 もちろん、この「物語」も次第に陳腐化して、いつかは再び「反物語」の時代が始まるのだが、それはまた将来の話である。
 今の令和の新時代、「物語」の時代が始まった。
 そこで夙川座の出番である。
 となれば、良いなあ。

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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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