オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2019年12月18日

伊佐山紫文476

「大阪のいちびりさん集まりまし展」の「オープニングフォーラム」に参加してきました。
 そこで懐かしい顔が!
 もう30年以上前、まだ昭和だった頃、私は、おそらく日本の男でただ一人、ある問題に取り組んでいた。
 それは戸籍のない子供に住民票と保険証を与え、そして就学児名簿に載せること、これらを自治体に認めさせるという運動である。
 一応「女たちの連絡会」を名乗ってはいるが、明確な運動体があるわけではなく、西に戸籍のない子供がいると聞けば集まって西に走り、東に無保険の子がいると聞けば集まって東にむかい、その自治体の窓口で交渉する。
 男は私だけだから、必然的に切り込み隊長となって窓口で怒鳴る、テーブルをたたく。
 警察呼ばれる寸前までやらないと話も聞いてもらえない。
 これはもう埒が明かないと言うことで、国会議員に話を聞いてもらうことにした。
 衆参両院、何百人いるのか分からん議員に窮状を訴えた手紙を、全て手書きでしたためた。
 上京の日にちも知らせ、会ってはもらえないだろうかと打診した。
 何人かの女性議員は秘書が対応してくれた。
 そんな中、ただ一人、議員本人が話を聞いてくれた。
 しかも男性である。
 それが旭堂小南陵さんだった。
 私ともう一人の女性で状況を訴えると、
「分かった。ワシの名前使え。その名刺出してええから」
「良いんですか? だったら、もう一枚もらえませんか」
 今思えばド厚かましい申し出にも、
「なんぼでも、束で持ってけ」
 国会議員の名刺だけで扱いが違うとは思えず、最初はおずおずと、
「国会でも取り組みが始まってるんです」
 と旭堂さんの名刺を見せた途端、
 こちらへ~、とばかりに応接室に通された。
 あっという間に、何ヶ月通ってもこじ開けられなかった扉が開いた。
 もう、トントントンと住民票が出来、保険に入ることができ、就学児名簿にも載ることが出来た。
 1カ所先例を作ってしまえば、それに国会議員の後ろ盾もある、これ以降、話はスムーズに運ぶようになった。
 やっぱ国会議員スゲエ、だったらアンタ出なさいよ、みたいなノリで吹き荒れたのが、いわゆる「マドンナ旋風」である。
 私の周りから何人も議員が出た。
 その後、私にもまあ色々あって運動からも政治からも離れ、旭堂さん自身も政治家ではなくなり、今では上方講談止め名の「旭堂南陵」をついで各方面で活躍されていることはご存知の通り。
 いつかお礼を言わねばとテレビで見るたびに(話を少し盛ってます)思っていた。
 そして、昨日、本当に30年ぶりに会えたのだった。
 会の性質上、深い話は出来なかったが、簡単なお礼が言えて良かった。


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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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