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2020年01月16日

伊佐山紫文503

何年か前、伊丹市の防犯カメラシステム「ミマモルメ」が本格稼働に入るとき、市内各所で住民説明会が開かれた。
 案内が来ていたので、興味本位ではあるが、近所の公民館で参加してきた。
 伊丹には名ばかりではあるが国際空港がある。
 当然「ミマモルメ」もテロ対策の一環として位置づけられるのだろうと思っていた。
 ところが、説明に「テロ」の「テ」の字も出てこない。
 最後に私が「テロ」との関連を質問すると、市の職員の方が、
「防犯こそ、最大のテロ対策だと思っています」
 いや、それは違う。
 と思ったが、黙っていた。
 テロ対策と防犯は全く違う。
 一般的な犯罪者にとって最悪で、もっとも避けなければならないのは、警察に捕まることである。
 だから防犯カメラに写らないようにする。
 防犯カメラの「防犯」たるゆえんである。
 それではテロリストにとって最悪なのは何だろうか。
 テロの失敗はもちろんのこと、それよりも最悪なのは、実行したは良いが、何の注目も集めないことである。
 テロの最大の目的は自らの信仰や信条が世の中に広まることにある。
 何の注目も集めなければ、何のためのテロかわからない。
 世に露出することが目的なのだから、警察など恐れないし、だからカメラに写ることもためらわない。
 と言うか、むしろ大々的に写して欲しいと思っていることだろう。
 思い出すのは、昭和53年(1978年)3月の成田空港占拠事件である。
 新左翼(過激派)の一派である第四インターナショナルのメンバーが管制塔を占拠し、管制機材をハンマーでぶち壊す様はテレビでも放映された。
 これにより、開港が3ヶ月遅れた。
 この当事者に近い方に面白い話を聞いたことがある。
 ハンマーでぶち壊すより、床板を剥がして、そこにみんなで小便をすれば、もっと開港を遅らせることが出来たのだと。
 じゃあ、なんで、そうしなかったのか。
「テレビに映るだろ」
 格好悪い、と。
 そりゃ、立ちション姿より、ハンマーを振り上げた姿の方を映して欲しいだろう。
 巨悪に鉄槌を下している感じもするし。
 これがテロリストの心情であり、この心情の前では防犯カメラなど何の役にも立たない。
 そもそも捕まることを恐れていないのだ。
 捕まることよりも、話題にならないこと、あるいは格好悪いことが問題なのだ。
 こういう話を公民館の説明会の場ですると、私自身がテロリストと付き合いがあるのではないかと疑われるかも知れないので黙っていた。
 ちなみに、空港を占拠したテロリストたちは、今、還暦を過ぎてなお、空港への損害賠償を支払い続けているという。
 それもまた彼らにとっては武勇伝の勲章なのだ。
 テロ対策と防犯は全く違う。
 テロリストは普通の犯罪者ではないのである。
 防犯カメラも、テロ対策であれば、設置場所など、防犯とは違った運用が求められてくるだろう。

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横浜防犯カメラセンター
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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