オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2020年03月11日

伊佐山紫文529

息子の小学校の卒業式はどうにかやれるようになって、それで聞いてみた。
「小学校どうだった?」
「楽しかったよ。けど……」
 やはり、低学年のころ、言葉の後れによる意思疎通がかなわなかったことが後を引いているらしい。
 今思えば、一歳児健診で頭周りが50センチを超すというのも異常事態で、脳のシナプス接続の速度が一定だとすれば、そりゃ物理的に色々問題が出てくるのも当然だ。
 その問題の出て来方が問題で、発達障害となかなか区別が付かない。
 三歳児健診の時にも、普段は難なくやれる積み木もギャー泣きで出来なかった。
 障害のある子と、それをかたくなに否定する親の図を、これから数年演じることになった。
 積み木と言えば私自身にも思い出がある。
 40を過ぎた頃の健診で、問診の時、一辺が三センチくらいの積み木を三つ、縦に積むように言われた。
 若い女医さんで、ニコニコと、
「さあ」
 と。 
 何をさせるんだと思ったが、そんなもの造作もない。
 今思えば、アル中がどれほど進んでいるかの検査だったのだろう。
 後にも先にも、こんなことをさせられたのはこの時だけで、と言うより、この病院に行ったのも、時期的にここしか開いておらず、仕方なく、のことだった。
 そもそも、検尿のトイレが男女共用というのもどうかと思う。
 私が検尿の紙コップを持って入っていくと、驚いたおばあちゃんが床にこぼしたぞ。
「減ってもうたがな。これで大丈夫やと思う?」
 いきなりコップを鼻先に突きつけられてもナァ……
 血液検査もなかなか針が静脈に至らず、内出血の痕は数日赤黒く残ったし、今でも左の上腕にはこの時のしこりのようなものがある。
 待合室の様子も酷かった。
 アル中らしきオヤジたちが罵り合ってるし。
「……やろ!」
「ちゃうがな、……やろ!」
 そもそも病院の待合室でカップ酒って、しかも、入院の服着て。
 後で見たら、病院のすぐ近くに酒の自販機がある。
 そりゃ、積み木も積ますわ、と今になっては思う。
 あれから十数年、子供も出来、酒はもちろん飲み続けているが、まだ積み木は大丈夫。
 積めなくなったら、考えます。


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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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