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2020年09月13日

伊佐山紫文643

『レイチェル・カーソン やめなはれDDT!』
 のチラシを、ある飲み会で配ったら、左上に置いてあるSDGs(Sustainable Development Goals)のロゴに激しく(肯定的に)反応された方がいて、時代は変わったんだなぁ、と感慨を深くした。
 これ、簡単に「持続可能な開発目標」などと訳しているが、「Sustainable」は最初、1987年にノルウェーのブルントラント首相が中心になって取りまとめた世界委員会の報告書の訳では「維持」とか「継続」となっていた。
 それが1992年の国連の地球環境サミットを経て「持続」という訳が定着していくのだが、これに私も微力ながら貢献しているので、裏話として記しておきたい。
 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球環境サミットには知人が二人参加していた。
 新聞記者と大学教授、どちらも女性である。
 なにせブルントラント首相も女性であり、環境問題と女性問題をリンクさせて考えていた私たちの(緩やかな)グループから参加者が出て当然である。
 で、帰国した新聞記者と飲んでいて「Sustainable 」の訳語で議論になった。
 とにかく、ダイナミックな概念なんだと。
 ただ守るのではなく、新しいテクノロジーを駆使しながら、守りつつ、開発するのだと。
 それには「維持」や「継続」ではしっくりしない。
「維持」と言うと、立っているものを支えているような静的なイメージになる。
「継続」では新しいものを次々に生み出すというイメージが消えてしまう。
 そうか、人間としての活動を維持しつつ、自然を気遣い、自然と共に生きる……
 ふと、当時大阪の堂島にあった(今でもきっとある)薬局の名コピーを思い出した。
 ここ、結構いかがわしい、それでも男には身にしみてわかる薬を扱っており、定期的に代わる店頭のコピーが面白くて、時折チェックしていたものだった。
 今思っても秀逸なのが、精力剤につけた
「男は持続力!」
 持続? ん、持続! いいんじゃないか!
「持続できる開発、持続できる社会、持続可能な開発、持続可能な社会、なんてどう?」
「それ良いわよ!」
 と、細かなやりとりは忘れたが、数日後の紙面には「持続可能な開発、持続可能な社会」の文字が躍ったのだった。
 これ以後も様々な訳語が使われたが、最終的には「持続」が「持続」していくことになる。
 SDGsのその訳「持続可能な開発目標」の「持続」の源の一つが男の持続力にある。
 まあ、それだけとは言わないが、そういえばブルントラント首相も女性だったよな。
 因みに、例の薬局で「男は持続力!」と対になって売られていたのはローションで、
「女はいい迷惑!」
 の、これもまた名コピーが添えられていた。
 自然にとっちゃ、どんなやり方であれ、開発を維持されるのはいい迷惑なんじゃないかな。



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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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