2019年08月22日
伊佐山紫文375
家族で北海道へ行ってきた。
と言っても、浅川座長とではないから誤解無きよう。
ニアミスはあったものの、それぞれがそれぞれの家族と企画した旅行である。
『週刊文春』にタレこんで小銭を稼ごうなどと不埒なことを思わぬよう。
ここでは札幌に三泊して思ったこと、感じたこと、考えたことを徒然なるままに書き留めておこうと思う。
『いさやん蝦夷地で考えた』 その一
「疾走せり女子」
地下街でパフェを食しようと行列に並んでいると、後ろに並んだ女の子二人がとにかく大声でしゃべる、しゃべる。
それも結構微妙な話を。
どうやら同じ職場で、しかもその職場がメイド喫茶らしく、それぞれが源氏名で呼び合っている。
職場は「学校」、同期は「同級生」、職場旅行は「修学旅行」と隠語を使っているのだが、内容は丸わかりで、結構エグい。
「同級生」がうっかり本名を漏らしてしまったが故にどんな目に遭ったか、などなど。
色んなことはあるものの、
「やっぱり、衣装には萌えるよね」
「そう! あれ着れるだけで学校最高」
うっかり関西弁で書きそうになってしまうが、堂々たる標準語である。
店に入ってからも、道民女子たちの口は決して閉じない。
札幌はとにかく女子の声に満ちている。
女子同士ではもちろん、相づちを打つだけの男を前に、しゃべる、しゃべる。
観光バスで旭川へ行ったのだが、車中、本土からの観光客ばかりになると、今度は男女の関西弁だけが聞こえてくる。
黙ってはいられない関西人たちが静かになったと思ったら、寝ている。
男女をとわず「しゃべり」な関西人とは違い、道民はやたら女子だけがしゃべりまくっている。
そしてどんな職場でも働いている。
産業道路なのか、モエレ沼公園横を巨大なダンプカーが猛スピードで駆け抜けていく、それを歩きながら眺めていると、運転手に女子が多いことに気づく。
あれも女子、これも女子。
女子たちがダンプを疾走させ、北の大地を駆け抜けていく。
あまり舗装状態の良くない道を、車体を揺るがせながら女子の駆る巨大ダンプが疾走する。
母子家庭の人口比では高知と一二を争い、喫煙率では揺るがぬ一位を誇る道民女子である。
ダンプなど乗りこなして当然、なのだろう。
と言っても、浅川座長とではないから誤解無きよう。
ニアミスはあったものの、それぞれがそれぞれの家族と企画した旅行である。
『週刊文春』にタレこんで小銭を稼ごうなどと不埒なことを思わぬよう。
ここでは札幌に三泊して思ったこと、感じたこと、考えたことを徒然なるままに書き留めておこうと思う。
『いさやん蝦夷地で考えた』 その一
「疾走せり女子」
地下街でパフェを食しようと行列に並んでいると、後ろに並んだ女の子二人がとにかく大声でしゃべる、しゃべる。
それも結構微妙な話を。
どうやら同じ職場で、しかもその職場がメイド喫茶らしく、それぞれが源氏名で呼び合っている。
職場は「学校」、同期は「同級生」、職場旅行は「修学旅行」と隠語を使っているのだが、内容は丸わかりで、結構エグい。
「同級生」がうっかり本名を漏らしてしまったが故にどんな目に遭ったか、などなど。
色んなことはあるものの、
「やっぱり、衣装には萌えるよね」
「そう! あれ着れるだけで学校最高」
うっかり関西弁で書きそうになってしまうが、堂々たる標準語である。
店に入ってからも、道民女子たちの口は決して閉じない。
札幌はとにかく女子の声に満ちている。
女子同士ではもちろん、相づちを打つだけの男を前に、しゃべる、しゃべる。
観光バスで旭川へ行ったのだが、車中、本土からの観光客ばかりになると、今度は男女の関西弁だけが聞こえてくる。
黙ってはいられない関西人たちが静かになったと思ったら、寝ている。
男女をとわず「しゃべり」な関西人とは違い、道民はやたら女子だけがしゃべりまくっている。
そしてどんな職場でも働いている。
産業道路なのか、モエレ沼公園横を巨大なダンプカーが猛スピードで駆け抜けていく、それを歩きながら眺めていると、運転手に女子が多いことに気づく。
あれも女子、これも女子。
女子たちがダンプを疾走させ、北の大地を駆け抜けていく。
あまり舗装状態の良くない道を、車体を揺るがせながら女子の駆る巨大ダンプが疾走する。
母子家庭の人口比では高知と一二を争い、喫煙率では揺るがぬ一位を誇る道民女子である。
ダンプなど乗りこなして当然、なのだろう。
2019年08月22日
伊佐山紫文375
「予言って当たったことあるの」
う~ん、またややこしいことを。
予言と言っても、色々ある。
例えば、いつ日食、月食が来るかを当てること。
それから、いつ戦争が起こるか当てること。
どちらも予言だけど、自然現象と社会現象では意味が違う。
自然現象は過去のデータを利用して法則を導き出すことで、かなり正確に予言することが出来る。
ニュートンはそれをやった。
「重力を発見した人だよね」
ただ、ニュートンは自然科学者であると同時に、魔術の研究家でもあった。
当時は社会現象と自然現象の区別がなされてなかったんだ。
「魔女狩りとか」
そう。
「なんか、怪しげなものをグツグツ煮込んでるような」
まさにね。
あれは、今で言う「漢方」みたいなものかな。
魔女狩りは、民間の知識、知恵、みたいなものを「魔術」だとして、客観的な「科学」が駆逐していく課程で起きたものだと思うよ。
数値化できない、再現性のない、経験的な知恵は「魔術」だとして退ける。
そういう「魔術」を操る女たちを「魔女」として殺す。
科学者たる男たちがね。
そういう暴力の上に近代科学は成立したんだ。
「予言」が当たるか当たらないか、今では科学的な予言はもう予言とは言わない。
ただの予測。
予言と言っても、それが何に対するものかを明らかにしなきゃ、当たるも当たらないもない。
「そっか~」
分かってるんだか、どうなんだか。
う~ん、またややこしいことを。
予言と言っても、色々ある。
例えば、いつ日食、月食が来るかを当てること。
それから、いつ戦争が起こるか当てること。
どちらも予言だけど、自然現象と社会現象では意味が違う。
自然現象は過去のデータを利用して法則を導き出すことで、かなり正確に予言することが出来る。
ニュートンはそれをやった。
「重力を発見した人だよね」
ただ、ニュートンは自然科学者であると同時に、魔術の研究家でもあった。
当時は社会現象と自然現象の区別がなされてなかったんだ。
「魔女狩りとか」
そう。
「なんか、怪しげなものをグツグツ煮込んでるような」
まさにね。
あれは、今で言う「漢方」みたいなものかな。
魔女狩りは、民間の知識、知恵、みたいなものを「魔術」だとして、客観的な「科学」が駆逐していく課程で起きたものだと思うよ。
数値化できない、再現性のない、経験的な知恵は「魔術」だとして退ける。
そういう「魔術」を操る女たちを「魔女」として殺す。
科学者たる男たちがね。
そういう暴力の上に近代科学は成立したんだ。
「予言」が当たるか当たらないか、今では科学的な予言はもう予言とは言わない。
ただの予測。
予言と言っても、それが何に対するものかを明らかにしなきゃ、当たるも当たらないもない。
「そっか~」
分かってるんだか、どうなんだか。
2019年08月22日
伊佐山紫文374
台風一過、と言っても良い陽が射してきた。
蝉も鳴き始め、風も心地よい。
数日前から聞き始めたクルト・ザンダーリン(ザンデルリング)のボックスもシベリウスの佳境に入ってきた。
単一楽章形式の七番の透明な響きが北欧の森を彷彿とさせつつ、交響詩「夜行と夜明け」が余韻を渺々と響かせて終わった。
さて、次は何をかけよう。
とにかく、家に子供がいるとまとまった仕事が出来ない。
ゲームやパソコンから引き離して勉強させるのが結構な一仕事で、難しい本や原書など読んでいられない。
そうして宿題をやらせていると、息子が、突然、
「ブラックホールの中って、物理法則が通用しないって本当?」
またややこしいことを。
「通用しないというか、光や電磁波でさえ出てこれないブラックホールだから、その中のあらゆる事象が観測不可能なんや。やからブラックホールのことをイベントホライズン、事象の地平線と言ったりする。最初はアインシュタインの一般相対性理論から導き出される純粋に理論的な解やったんやけど、実在することが分かってきた」
「ブラックホールに入ったら、人はどうなるの?」
「人間なんて、ナノミリ以下に凝縮されるだろうから、生きてはいないよ」
「ナノミリ……」
「十億分の一ミリ以下ってこと」
「物理法則も何も」
「そう、ここにある物理法則は事象の地平線まででしか通用しない。その向こうでどんな法則が働いているかは、こっちにいる人間には分からない」
「嫌だなぁ、太陽がブラックホールになったら」
そんな何十億年も先のことより、そろそろ夏休みの終わりを心配しろよ。
まだ読書感想文も書けてないんだし。
蝉も鳴き始め、風も心地よい。
数日前から聞き始めたクルト・ザンダーリン(ザンデルリング)のボックスもシベリウスの佳境に入ってきた。
単一楽章形式の七番の透明な響きが北欧の森を彷彿とさせつつ、交響詩「夜行と夜明け」が余韻を渺々と響かせて終わった。
さて、次は何をかけよう。
とにかく、家に子供がいるとまとまった仕事が出来ない。
ゲームやパソコンから引き離して勉強させるのが結構な一仕事で、難しい本や原書など読んでいられない。
そうして宿題をやらせていると、息子が、突然、
「ブラックホールの中って、物理法則が通用しないって本当?」
またややこしいことを。
「通用しないというか、光や電磁波でさえ出てこれないブラックホールだから、その中のあらゆる事象が観測不可能なんや。やからブラックホールのことをイベントホライズン、事象の地平線と言ったりする。最初はアインシュタインの一般相対性理論から導き出される純粋に理論的な解やったんやけど、実在することが分かってきた」
「ブラックホールに入ったら、人はどうなるの?」
「人間なんて、ナノミリ以下に凝縮されるだろうから、生きてはいないよ」
「ナノミリ……」
「十億分の一ミリ以下ってこと」
「物理法則も何も」
「そう、ここにある物理法則は事象の地平線まででしか通用しない。その向こうでどんな法則が働いているかは、こっちにいる人間には分からない」
「嫌だなぁ、太陽がブラックホールになったら」
そんな何十億年も先のことより、そろそろ夏休みの終わりを心配しろよ。
まだ読書感想文も書けてないんだし。
2019年08月22日
伊佐山紫文373
夏の揚げ物は暑苦しい。
それでも息子が「トリカラ、トリカラ」とうるさいので週に一度は鶏のもも肉を揚げている。
昨日の夕食もトリカラで、味付けも一部息子がやった。
そうすると、とにかく味が濃くなる。
当然だが油っこいし、スパイスの効かせすぎ。
夕食には酢に浸して南蛮漬け風にしたのを二切れほど食べて、あとは高野豆腐の煮物。
一緒に素揚げしたカボチャも数切れ。
これで充分。
夏は食が細る。
昼は冷やしうどんと納豆で終わりだし。
昔はゴーヤーチャンプルーが夏のお昼の定番だった。
夏休みの息子と一緒にお昼をするようになってから、この五六年くらい作ってないんじゃないかな。
あんな苦いもの、作ってもどうせ子供は食わんし。
そういえば、ずっとずっと昔はゴーヤーのことを茘枝(れいし)って言ってたらしい。
私たちの子供時代にはすでに「ニガウリ」になり、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』以来、「ゴーヤー」になった。
そもそも「ニガウリ」は漢語「苦瓜」の訓読みで、沖縄では「ゴーヤー」と音読みしていたのがそのまま入ってきた。
今でこそ沖縄産のゴーヤーが本土でも流通しているが、外来種のウリミバエを絶滅さすまでは本土への持ち込みは禁止されていた。
このウリミバエは、農薬ではなく不妊虫放飼という方法で絶滅させたことが知られている。
この絶滅作戦の陣頭指揮を執った伊藤嘉昭先生は『社会生物学』(E.O.ウィルソン)の監訳者でもあり、『虫を放して虫を滅ぼす 沖縄・ウリミバエ根絶作戦私記』(中公新書)という本の著者でもある。
私はこの本、学生時代に楽しく読んだが、諸先生方の反応は今ひとつだったことを憶えている。
おそらく、不妊虫を作るのに放射線を使うことが忌避されたのだろうし、何より、この伊藤先生、共産党の科学者組織の重鎮だった。
何をやっても胡散臭く感じられたのだろう。
そもそも当時、共産主義者が「社会生物学」ってのもおかしな話だったし。
「あいつ、何やってんだ」
ということだったのかもしれない。
さて、台風が来る前にゴーヤー買って来よう。
それでも息子が「トリカラ、トリカラ」とうるさいので週に一度は鶏のもも肉を揚げている。
昨日の夕食もトリカラで、味付けも一部息子がやった。
そうすると、とにかく味が濃くなる。
当然だが油っこいし、スパイスの効かせすぎ。
夕食には酢に浸して南蛮漬け風にしたのを二切れほど食べて、あとは高野豆腐の煮物。
一緒に素揚げしたカボチャも数切れ。
これで充分。
夏は食が細る。
昼は冷やしうどんと納豆で終わりだし。
昔はゴーヤーチャンプルーが夏のお昼の定番だった。
夏休みの息子と一緒にお昼をするようになってから、この五六年くらい作ってないんじゃないかな。
あんな苦いもの、作ってもどうせ子供は食わんし。
そういえば、ずっとずっと昔はゴーヤーのことを茘枝(れいし)って言ってたらしい。
私たちの子供時代にはすでに「ニガウリ」になり、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』以来、「ゴーヤー」になった。
そもそも「ニガウリ」は漢語「苦瓜」の訓読みで、沖縄では「ゴーヤー」と音読みしていたのがそのまま入ってきた。
今でこそ沖縄産のゴーヤーが本土でも流通しているが、外来種のウリミバエを絶滅さすまでは本土への持ち込みは禁止されていた。
このウリミバエは、農薬ではなく不妊虫放飼という方法で絶滅させたことが知られている。
この絶滅作戦の陣頭指揮を執った伊藤嘉昭先生は『社会生物学』(E.O.ウィルソン)の監訳者でもあり、『虫を放して虫を滅ぼす 沖縄・ウリミバエ根絶作戦私記』(中公新書)という本の著者でもある。
私はこの本、学生時代に楽しく読んだが、諸先生方の反応は今ひとつだったことを憶えている。
おそらく、不妊虫を作るのに放射線を使うことが忌避されたのだろうし、何より、この伊藤先生、共産党の科学者組織の重鎮だった。
何をやっても胡散臭く感じられたのだろう。
そもそも当時、共産主義者が「社会生物学」ってのもおかしな話だったし。
「あいつ、何やってんだ」
ということだったのかもしれない。
さて、台風が来る前にゴーヤー買って来よう。
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