2020年01月07日
伊佐山紫文500
話題になってる逆転広告のパクリ。
上から読んで、次に下から読み直してください。
大丈夫、全部うまくいく。
などと言っていたのはだれだ。
もう駄目だ。
上から読んで、次に下から読み直してください。
大丈夫、全部うまくいく。
などと言っていたのはだれだ。
もう駄目だ。
2020年01月07日
伊佐山紫文499
アメリカとイランはおそらく戦争にはならない。
と言うか、もう国家間の戦争など起きない。
戦争など「あの世」あってのことで、「この世」しかない世界にあって、人はなぜ、何のために死ぬのか。
死ねと言えるのか。
「この世」など、「あの世」で過ごす永遠の時間に比べれば一瞬のもの、だから戦争で英雄的に死んでこい、と。
キリスト教は言うまでもなく、それを取り込んだ靖国神社、あるいはイスラムのジハードなど、とにかく、戦争は「この世」の否定、そして永遠の「魂」の絶対的な肯定抜きには始まらない。
ここで「魂」を「名誉」と読み替えても良い。
そんなものが紙切れ一枚の価値もない「この世」だけの世界にあって、いったい、どうやって戦争を起こすのか。
死んでこい、と言えるのか。
アメリカは表向きは世俗国家だし、イランも革命前は世俗ペルシャだった。
しかもシェールガスで中東への石油依存を脱したアメリカは、イスラエルの存在以外、イランと争う理由がない。
イランも同様で、核兵器を持ったところで、イスラエルを消滅させることは不可能だと分かっている。
だから戦争は起きない。
と、理性は言う。
アメリカとイラン、双方が理性的にふるまうことを望むが、それが難しそうだから困るんだが。
と言うか、もう国家間の戦争など起きない。
戦争など「あの世」あってのことで、「この世」しかない世界にあって、人はなぜ、何のために死ぬのか。
死ねと言えるのか。
「この世」など、「あの世」で過ごす永遠の時間に比べれば一瞬のもの、だから戦争で英雄的に死んでこい、と。
キリスト教は言うまでもなく、それを取り込んだ靖国神社、あるいはイスラムのジハードなど、とにかく、戦争は「この世」の否定、そして永遠の「魂」の絶対的な肯定抜きには始まらない。
ここで「魂」を「名誉」と読み替えても良い。
そんなものが紙切れ一枚の価値もない「この世」だけの世界にあって、いったい、どうやって戦争を起こすのか。
死んでこい、と言えるのか。
アメリカは表向きは世俗国家だし、イランも革命前は世俗ペルシャだった。
しかもシェールガスで中東への石油依存を脱したアメリカは、イスラエルの存在以外、イランと争う理由がない。
イランも同様で、核兵器を持ったところで、イスラエルを消滅させることは不可能だと分かっている。
だから戦争は起きない。
と、理性は言う。
アメリカとイラン、双方が理性的にふるまうことを望むが、それが難しそうだから困るんだが。
2020年01月07日
伊佐山紫文498
幕末から明治期にかけての不平等条約について、息子が聞いてくる。
どうやら、ゴーン逃亡劇とからめての報道に刺激されたらしい。
「まずは、刑法と民法に分けて考えなきゃ。江戸時代の刑法だと、敵討ちは合法だった。だから、もし、イギリス人に親を殺された人が、そのイギリス人を私的に斬り殺すのは、なんの罪でもない。むしろ賞賛された」
「へぇ」
「どう? 何の証拠も裁判もなしに、勝手な決めつけや思い込みで殺されたら」
「それは、嫌だ」
「そんな国で商売できる?」
「出来ない」
「刑法的な「信用」、つまり「人権」を保障できない国とはまともに付き合えないってことだ」
「そりゃそうだ」
「次は、民法で考えよう。この土地を担保にお金を借りました。返せませんでした。だったら、この土地をもらいましょう。これが民法。でも、江戸時代は違った。相手が大名なら、返せなくても、その商人を追放すればチャラになった。どう、こんな国と商売できる?」
「出来ない」
「だろ。でも、どっちが正しいかってことじゃない。資本主義が世界を席巻していく中で、お金を中心とした「信用」というルールが出来上がっていった。要は、資本主義の「信用」ってルールに従うかどうかってこと。従わなければ植民地になった。それが嫌なら「信用」に基づいたルールを作れってこと」
「へぇ」
「ネイティブアメリカン、いわゆるインディアンはそれが理解できなかった。土地を所有するって観念がなかったから。だから、酋長がサインをすれば全ての土地が白人のものになって、自分たちは立ち退かなきゃならないなんて、信じられなかった」
「そうなんだ」
「だから立ち向かう。戦争する。でも白人からすれば、「信用」を理解できない野蛮そのものでしかない」
「確かに」
「日本人はそこを理解していた。自分たちの考えでやっても無駄なんだと。世界の趨勢に従うしかないんだってね。でも、日本人はお人好しだから、あまりにもその「信用」を信用しすぎた。それが第二次世界大戦の発端にもなったし、今回のゴーン逃亡劇にも繋がった。信用もほどほどってことだ。ところで、冬休みの宿題は? 昨日やってしまうって約束だったよね」
「出来てないよ。信用もほどほどってことでしょ」
やれやれ。
どうやら、ゴーン逃亡劇とからめての報道に刺激されたらしい。
「まずは、刑法と民法に分けて考えなきゃ。江戸時代の刑法だと、敵討ちは合法だった。だから、もし、イギリス人に親を殺された人が、そのイギリス人を私的に斬り殺すのは、なんの罪でもない。むしろ賞賛された」
「へぇ」
「どう? 何の証拠も裁判もなしに、勝手な決めつけや思い込みで殺されたら」
「それは、嫌だ」
「そんな国で商売できる?」
「出来ない」
「刑法的な「信用」、つまり「人権」を保障できない国とはまともに付き合えないってことだ」
「そりゃそうだ」
「次は、民法で考えよう。この土地を担保にお金を借りました。返せませんでした。だったら、この土地をもらいましょう。これが民法。でも、江戸時代は違った。相手が大名なら、返せなくても、その商人を追放すればチャラになった。どう、こんな国と商売できる?」
「出来ない」
「だろ。でも、どっちが正しいかってことじゃない。資本主義が世界を席巻していく中で、お金を中心とした「信用」というルールが出来上がっていった。要は、資本主義の「信用」ってルールに従うかどうかってこと。従わなければ植民地になった。それが嫌なら「信用」に基づいたルールを作れってこと」
「へぇ」
「ネイティブアメリカン、いわゆるインディアンはそれが理解できなかった。土地を所有するって観念がなかったから。だから、酋長がサインをすれば全ての土地が白人のものになって、自分たちは立ち退かなきゃならないなんて、信じられなかった」
「そうなんだ」
「だから立ち向かう。戦争する。でも白人からすれば、「信用」を理解できない野蛮そのものでしかない」
「確かに」
「日本人はそこを理解していた。自分たちの考えでやっても無駄なんだと。世界の趨勢に従うしかないんだってね。でも、日本人はお人好しだから、あまりにもその「信用」を信用しすぎた。それが第二次世界大戦の発端にもなったし、今回のゴーン逃亡劇にも繋がった。信用もほどほどってことだ。ところで、冬休みの宿題は? 昨日やってしまうって約束だったよね」
「出来てないよ。信用もほどほどってことでしょ」
やれやれ。
2020年01月07日
伊佐山紫文497
石山寺にお参りしてきました。
妻が年末に家族でどこか一泊旅行したいとて、いちばん安いホテルを探した結果、滋賀の石山のホテルに決まったのでした。
「石山寺が物書きの聖地ってことで選んでくれたん?」
「何それ?」
「え? そしたら、紫式部が源氏物語の着想を石山寺で得たって話は?」
「知らんよ、そんなん」
「ボクのペンネームの紫文は、源氏物語の別名『紫文』からとってるんやで」
「そうやったん」
「本居宣長が『紫文要領』の冒頭で石山寺のことを書いてて、とにかく、物書きなら一度は参拝しとかんとあかんお寺やったんや。これまで機会がなかっただけで、ずっと気にはなっとったんや」
「よかったな、アンタ、やっと呼ばれたんやで」
「そうやな。もう迷いなく、自分の道を行ったら良いって、呼んでくれたんや」
と言うわけで、行ってきました、石山寺。
その名の起こりとなった溶岩の異様も眺め、紫式部像も拝み、遙かな昔に思いをはせました。
年末だったためか人も少なく、静寂の中、苔むした岩や霧に煙る琵琶湖、瀬田川も森の向こうに望み、ゆったりとした時の流れに身を任せる。
はずが……
「ねえ、早くホテルに行こうよ、地図のとこ全部回るなんて嫌だよ」
などと愚図る息子に負けて、早々に退散することに。
夜も近江牛に舌鼓を打つはずが、
「コンビニで買ってきたもので良いよ。もうホテルを出たくない」
に負けて、コンビニ食で乾杯。
まあ、家族連れだと聖地巡礼もほどほどですわ。
妻が年末に家族でどこか一泊旅行したいとて、いちばん安いホテルを探した結果、滋賀の石山のホテルに決まったのでした。
「石山寺が物書きの聖地ってことで選んでくれたん?」
「何それ?」
「え? そしたら、紫式部が源氏物語の着想を石山寺で得たって話は?」
「知らんよ、そんなん」
「ボクのペンネームの紫文は、源氏物語の別名『紫文』からとってるんやで」
「そうやったん」
「本居宣長が『紫文要領』の冒頭で石山寺のことを書いてて、とにかく、物書きなら一度は参拝しとかんとあかんお寺やったんや。これまで機会がなかっただけで、ずっと気にはなっとったんや」
「よかったな、アンタ、やっと呼ばれたんやで」
「そうやな。もう迷いなく、自分の道を行ったら良いって、呼んでくれたんや」
と言うわけで、行ってきました、石山寺。
その名の起こりとなった溶岩の異様も眺め、紫式部像も拝み、遙かな昔に思いをはせました。
年末だったためか人も少なく、静寂の中、苔むした岩や霧に煙る琵琶湖、瀬田川も森の向こうに望み、ゆったりとした時の流れに身を任せる。
はずが……
「ねえ、早くホテルに行こうよ、地図のとこ全部回るなんて嫌だよ」
などと愚図る息子に負けて、早々に退散することに。
夜も近江牛に舌鼓を打つはずが、
「コンビニで買ってきたもので良いよ。もうホテルを出たくない」
に負けて、コンビニ食で乾杯。
まあ、家族連れだと聖地巡礼もほどほどですわ。
2020年01月07日
伊佐山紫文496
今年もまあ、色々あった。
と言っても、全て平穏で、何の事件も起きなかった。
息子も来年は中学生、恐れていたドロップアウトも起きず、呑気にゲームなどやっている。
比べるのもなんだが、私が小六の頃、世の中も、私自身も、とても呑気ではいられる状況ではなかった。
日本赤軍は爆弾事件を起こすし、田中金脈は暴かれるし、『宇宙戦艦ヤマト』は放送されるし、父親は喫茶店を開いて上手くいってるんだかいないんだか、なにか、ピリピリとした雰囲気があった。
ような気がする。
あるいは、すべて、思春期に入りかけた子供の心理によるものだろうか。
あるいは、私自身の発達に問題があったのか。
あの頃、なんとも言えぬ、緊張の中に生きていた。
友人はいるにはいたが、皆、なにかしらの問題を抱えていた。
と言うより、その友人そのものが誰かの問題そのものだった。
私はマンガと釣りに明け暮れ、滅び行くこの世の行く末に怯えていた。
公害は人類を滅ぼすだろうし、でなければノストラダムスの大予言で恐怖の大王が降臨するだろうし、異常気象は頻発するし、奇形魚は釣れるし、カラスノエンドウは片方しか実をつけないし、この世の終わりの兆候はいくらでもあった。
世の人々がなぜ呑気に生きていられるのか、不思議で仕方なかった。
大人たちよ、私たちの未来を奪うな!
まあ、言ってみれば、グレたあの子、みたいなもん。
ああいう終末的世界観を抱いたまま、今世紀までよく生き延びたもんですわ。
あの頃の自分に言ってやりたい。
大丈夫、この世はそう簡単に滅びはしない。
むしろドンドン良くなってるから、安心しろ、と。
我が子にそう言える大人になれるよう、来年も努力します。
皆様もまた良いお年を。
と言っても、全て平穏で、何の事件も起きなかった。
息子も来年は中学生、恐れていたドロップアウトも起きず、呑気にゲームなどやっている。
比べるのもなんだが、私が小六の頃、世の中も、私自身も、とても呑気ではいられる状況ではなかった。
日本赤軍は爆弾事件を起こすし、田中金脈は暴かれるし、『宇宙戦艦ヤマト』は放送されるし、父親は喫茶店を開いて上手くいってるんだかいないんだか、なにか、ピリピリとした雰囲気があった。
ような気がする。
あるいは、すべて、思春期に入りかけた子供の心理によるものだろうか。
あるいは、私自身の発達に問題があったのか。
あの頃、なんとも言えぬ、緊張の中に生きていた。
友人はいるにはいたが、皆、なにかしらの問題を抱えていた。
と言うより、その友人そのものが誰かの問題そのものだった。
私はマンガと釣りに明け暮れ、滅び行くこの世の行く末に怯えていた。
公害は人類を滅ぼすだろうし、でなければノストラダムスの大予言で恐怖の大王が降臨するだろうし、異常気象は頻発するし、奇形魚は釣れるし、カラスノエンドウは片方しか実をつけないし、この世の終わりの兆候はいくらでもあった。
世の人々がなぜ呑気に生きていられるのか、不思議で仕方なかった。
大人たちよ、私たちの未来を奪うな!
まあ、言ってみれば、グレたあの子、みたいなもん。
ああいう終末的世界観を抱いたまま、今世紀までよく生き延びたもんですわ。
あの頃の自分に言ってやりたい。
大丈夫、この世はそう簡単に滅びはしない。
むしろドンドン良くなってるから、安心しろ、と。
我が子にそう言える大人になれるよう、来年も努力します。
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