「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2020年07月11日

伊佐山紫文596

この大雨に、それでも窓の外からは工事を続ける音が聞こえてきて、
「凄いね」
 という息子に、昔は、
「土方殺すにゃ刃物は要らぬ。雨が三日も降れば良い」
 と言ったもんだけどな、などと言いつつ、説明が極度に難しいことに気付かされた。
「土方ってなに?」
 なんと言ったらいいんでしょうねぇ、工事をする人たち。
 お前のお祖父ちゃんがそうだった。
 一日働いて幾らだから、雨が降って仕事が無いとお金もない。
「そのお金って安いの?」
 ニコヨンって言って、240円だったこともある。
 これは英語の辞書にも載った。
「そんなんで生きていけるの?」
 もちろん、生きていけない。
 雨が三日も降れば、食べ物もなくなる。
 まさに、
「土方殺すにゃ刃物は要らぬ。雨が三日も降れば良い」
 だから、土方たちは団結して、雨が降っても生きていけるように雇い主や国と交渉した。
 そういう仕事を、お祖父ちゃんはやっていたんだよ。
「ふーん」
 まあ、どこまで伝わったか、伝えるべきなのか、それは分からん。
 17歳、最年少で新日本文学会の会員となり、安部公房、開高健、大江健三郎らと並んで「ニコヨン詩人」の文名を轟かせた祖父の業績を説明しても、今さら何になろう。
 本当に、今さら、何になろう。
 雨の中でも工事が出来るだけの技術があり、雨が降り続いても死ぬことはない。
 そういう世の中になった。
 かつての「ニコヨン」の窮状を訴えたお祖父ちゃんの詩は、きっと息子には届くまい。
 それはそれで良い世の中になったってことだ。

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夙川座 いさやま
2020年07月11日

伊佐山紫文595

昨日、とある行政の施設を利用するとて、入り口で体温を測られた。
 顔面で測るのだが、これってかなり問題がある。
 と言うか、これ自体が問題で、導入にあたり、誰も問題にしなかったこと自体が問題なのではないか。
 そのくらい、人権感覚やなんやがコロナで麻痺してしまったってことだろう。
 なにせ、討論会を一度も開かずに都知事が決まってしまうのだ。
 まさに異常事態である。
 で、体温測定の話に戻ると、これの何が問題かと言えば、顔面という情報はそう易々と他人に渡して良いものではない。
 どれだけ整形を重ねようが、目・鼻・口の位置は変えようがない。
 変えようがないし、歳を重ねても変わらない。
 だから、顔面の情報を最も欲しがっているのは捜査当局である。
 でも悪いことをしてなきゃいいんでしょ、と思ったアナタ、甘い。
 捜査当局の次に顔面情報を欲しがっているのは、アナタの元夫や元彼かもしれない。
 アナタがDVに耐えかねて元夫や元彼から逃げ、念のために整形もして遠く離れた新天地で暮らし始めた、としよう。
 で、たまたま入ったコーラスサークルの練習で熱を測られた。
 とある自治体の施設である。
 測るよう促した女性をアナタは自治体の職員だと信じて疑わない。
 ところが、現実はそんな甘いものじゃない。
 窓口の女性はその施設の管理を委託された民間会社の、しかも派遣会社から来た派遣社員である。
 体温測定のシステムなど何も理解していない。
 そもそも顔面での体温測定システムをリースした会社は、施設管理者である民間会社とデータ収集についての契約を結んでいる。
 集めたデータは第三者の照会に応じる、と。
 つまり元夫や元彼が写真を持ってきて、
「この人を探してください」
 と依頼すれば、今回、コロナ騒ぎで集まった莫大な顔面データを使って、ほんの一瞬でアナタを探し出すことが出来る。
 で、刃物を持ってアナタの元に急ぐ、と。
 これはほんの一例で、とにかく、このコロナ騒ぎは、ビッグデータを構築し利用しようとする人々にとってはとんでもない好機でしかない。
 それに踊らされる企業や自治体もどうかと思うし、それに唯々諾々と従ってしまう我々も我々だ。
 世の中、そんな甘いもんじゃないんだよ。
2020年07月11日

伊佐山紫文594

昨日、顔面データのことを書いたところ、座長から、これじゃ伝わらない、もっとアナタの経験を踏まえて書き直しなさい、との業務命令が出た。
 これは嫌だなぁ。
 男という生き物のどうしようもなさを暴露しなきゃならないし。
 でも仕方ない。
 業務命令だし。
 で、もう何十年も前、戸籍のない子の権利について活動していたことがあった。
 とにかく、一回結婚してしまうと、相手がどんな凶悪な男であっても、離婚ってなかなか出来ないんです。
 相手が離婚届にハンコをつかない限り、どんなに凶悪凶暴暴虐な男であっても、夫婦であり続けなければならない。
 それでも夫婦であればまだ良い。
 殴られても、骨を折られても、殺されても、自分が我慢すればすむ。
 問題は子供だ。
 アナタはともかく、子供への暴力が度を過ぎたとき、もう、逃げるしかない。
 で、逃げる。
 逃げてどうする?
 法的には夫婦のままだ。
 相手が離婚届にハンコをつかない限り、夫婦のままだ。
 DVなんて概念のない時代、警察は絶対に動かない。
「奥さん、我慢しましょうよ」
 で、終わりである。
「奥さん」はまあ、仕方ないかもしれない。
 そんな男を選んだって側面もあるし。
 ただ、問題は子供である。
 子供は親を選べない。
 本当に、子供は親を選べないんですよ。
 そんな危機的状況下にあっても、と言うか、危機的状況下にあるからこそ、別の(白馬の王子に見える(が客観的には夫とほとんど)同等な)男性との間に子供を作るんです。
 もちろん、その子は、法律的には、当然、夫の子供になりますわ。
 だって、離婚できていないんだから。
 離婚しようとすれば、裁判するしかない。
 で、裁判所に出向いていって、そこで殺されるんです。
 当時も金属探知機でチェックはしていたんだが、セラミックはすり抜けた。
 まあ、そんな事件が相次いだ時代ですわ。
 今はどうか知りませんけど。
 とにかく、男の復縁要求はしつこい。
 復縁がかなわなければ、相手を殺す。
 本当に殺す。
 そして自らも死ぬ。
 心中と言えば聞こえは良いが、結局は殺人と自殺である。
 男っちゃそういうもん。
 相手を殺して死ぬためなら、手段も選ばず、費用も惜しまない。
 それが男なんです。
 仕方ない。
 だから、そんな男の危険性を踏まえて、新しいテクノロジーを使ったシステムは組み立てられなければならないってこと。
 顔面で熱を測るなんてもってのほか。
 まあ、言われれば従いますけどね。
プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

< 2020年07>
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