「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年08月27日

伊佐山紫文40

 息子を連れて広島に行ってきた。
 もちろんヒロシマに、である。
 息子は表面上はなんでもないふりをしているが、やはり何か感じるものがあったのだろう、行動の、言葉の、端々に、少しずつヒロシマが感じられる。
 それで思ったのは、記憶というもののはかなさ、もろさ、と強靱さである。
 原爆という、あれほどの体験であっても、こうやって、公園をつくり、記念館をつくり、記念碑を建て、それでも記憶は薄れていく。
 久しぶりに会った知人たちも一様に被爆体験の風化を嘆く。
 それに共感しつつ、やはり思うのは、いつまでも辛い記憶を抱えていては、人は生きていけないのだろうと。
 だから忘れる。
 過去にとらわれては、人は生きていけないのだ。
 それでも忘れまいと、公園を整備し、記念碑を建てる。
 記憶のはかなさと、強靱さとのせめぎ合いを広島(ヒロシマ)に見たような気がする。
 さて、今回、10数年ぶりに広島を訪ねて感じたのは、とにかく「外人」が多いこと。
「外人」とあえて書いたのは、中国人や台湾人なら大阪でも珍しくないのに、広島では英語やフランス語やイタリア語の、いわゆる白人のネイティブとやたら出会うからである。
 昼食で入ったイタリアンの店では、明らかに英語ネイティブのカップルと隣り合わせになり、店を出て行く時にはアメリカ風の目配せをした。
 ホテルでは白人の団体客がロビーを占拠していた。
 なんの遠慮もない姿勢の、セイウチのような巨漢の女性のパンティが目に残る。
 平和記念資料館では日本人より「外人」の方が多かったのではないか。
 広島はあきらかにヒロシマを観光資源化している。
 それを非難しようとは思わない。
 むしろ賞賛しようと思う。
 禍を転じて福となす、と言うではないか。
 むしろ神戸も、神戸事件や大水害や震災を福となすべきだと思う。
 神戸事件という、明治維新という大革命のなかで起きた悲劇を物語化し、記念碑を建て、資料館も作って「外人」を引き込むべきだと思う。
 廃墟ホテルツアーも良いが、その回りの緑に目を向け、それが人工林であること、如何にその林が作られていったか、その科学的な妥当性を知らせるエコツアーは、砂漠化に苦しむ国々からの客に訴えるものがあると思う。
 何より震災からの復興の物語は、今でも災害や戦災の後遺症に苦しむ国々からの観光客の心に訴えるものがあると思う。
 先日参加した神戸元町インバウンドミーティングの納涼会でも訴えたが、インバウンドのネタは足下にゴロゴロ転がっている。
 それを生かすか、殺すか。
 それだけの話だと思う。
 原爆の犠牲者も、ヒロシマの生を生きた者として甦り、今の広島を活性化させている。
 これも一つの供養である。
 神戸も見習うべきだと思う。
 
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

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