「夙川座」やってます!

オリジナル脚本のオペレッタや、朗読とのコラボ、ポピュラーヴォーカルとのコラボなど、様々な場所、お客様に合わせたコンサート、舞台を企画しています!! 夙川、苦楽園がベースです。 どうぞよろしくおねがいいたします。
2017年09月12日

伊佐山紫文56

 もうずっと、何十年も、冬期の脚の肌荒れに悩まされてきた。
 夏が終わるくらいからポツポツと腿に発疹が出始め、それが繋がり、冬にはあちこちがズル剥けになる。
 いっぽうで息子の肌荒れもひどく、皮膚科にはずっと通っていて、これは遺伝か? と諦めかけていた。
 アトピーかも知れぬとパッチテストも受けさせたし、よく分からぬままにドクターショッピング状態になり、近所に新しく皮膚科が出来ればそこにも連れて行った。
 で、はじめて「お風呂の温度は40度までにして下さい」と言われ、ハタと気づいた。
 私も息子も体を洗いすぎなのではないか?
 息子を不潔にしてはいけないと思い、赤ちゃんの頃から入浴時には石けんで丁寧に洗っていたし、私自身ももちろんである。
 もしかしたらこれが原因かもしれないと思い至り、体を洗うのを止めてみた。
 息子も自分で洗うようにさせ、もちろん全く洗えていないから、洗わないのと同じである。
 洗剤を使うのは腕と脚のつけ根だけで、最初は少し抵抗があったが、慣れてくればむしろ楽である。
 全身を洗うのは日曜だけ、石けんの使用量はもちろん少なくて済む。
 こうして半年以上が過ぎ、私も息子も、肌荒れは完治した。
 秋口から出始める発疹も、今年は全く出ていない。
 間違いなく、私や息子の肌荒れは、洗いすぎが原因だった。
 考えてみれば、人間の皮膚は、常在菌が皮脂を分解して作った有機酸によって守られている。
 その酸を弱アルカリ性の石けんで毎日洗い落としていれば、それは当然皮膚の防御機能の毀損をもたらすだろう。
 そもそも皮脂を石けんで落とすこと自体、常在菌のエサを奪うのと同じである。
 エサがなければ常在菌も生きていけない。
 常在菌が減れば、有機酸も減る。
 減った有機酸を石けんが洗い流す。
 皮膚の防御機能はいっそう毀損していく。
 こうして肌が荒れる。
 荒れた肌を不潔にしてはいけないと、さらに洗う。
 洗えば洗うほど、皮脂や有機酸や常在菌は減っていく。
 こうしてもっと肌が荒れていく。
 この悪循環が冬の間、ずっと続くというわけだ。
 まったく「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」と『論語』にも言うではないか。
 もっとも、この言葉のもとの意味は、普通に知られているよりも辛辣で、物事ではなく弟子の性格を比較したもの。
「出しゃばりはオクテよりタチが悪い」
 と言った感じ。
 とはいえ、まさに、
「洗いすぎは不潔よりタチが悪い」
 のは事実のようだ。
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2017年09月12日

伊佐山紫文55

 流行歌(はやりうた) 

 天高く
 風の澄みわたるこの季節
 いつもあの歌を思い出す
 愛を歌う流行歌

 それは消えた愛を嘆く歌
 陳腐なメロディにのった
 ありふれた言葉の
 安っぽい流行歌

 それでもあのとき
 一面に広がる緑の高原を走り
 青い風に髪をなびかせて心中に聴いた
 消えた愛を嘆く歌

 少年はあの歌で心の何を埋めようとしたのか
 高原の湖のほとりを風のなか空へと泳ぎながら……
 風が澄めば今でもふと心中に流れる
 とっくに忘れ去られた流行歌

   
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2017年09月12日

伊佐山紫文54

 息子が突然、
「化学調味料って体に悪いの?」
 これが20年前なら、
「悪いよ。とりすぎると中華料理症候群っていって云々」
 などと、あることないこと、ナイコトないこと吹き込んだのだろうが、今はもうそんな世界から脱却したから、
「そんなことないよ。大丈夫」
 で、二の矢が来た。
「だったら、なんでうちは使わないの?」
「理由はないけど……」
「理由はないんだ」
「まあ、化学調味料を使うとみんな同じ味になるのがいやかな」
「一度、使ってみようよ」
「やだよ。そっちの方が美味しいってなって、化学調味料がないといやだ、なんてなったらやだ」
「中毒になるってこと?」
「なるかも知れないってこと」
「ふうん」
 普通に食べるインスタントラーメンやレトルトカレー、それからカレールーにもたっぷり化学調味料は入っているから、完全に拒絶しているわけではないのだけれど、なんとなく抵抗がある。
 基本的な調味料、醤油や味噌は無添加のものを使っているし、加工食品を買うときにも「アミノ酸など」の表記があると避ける。
 だから豆板醤は味の素のものを使うことになる。
 豆板醤は輸入物以外、たいてい「アミノ酸など」が入っているのに、不思議なことに味の素だけは化学調味料を使っていないのである。
 この豆板醤で作った四川風のラー油はあらゆる料理に重宝する。
 生姜、ニンニクをフードプロセッサーを使ってみじん切りにし、ゴマ油で豆板醤と炒めて作る。
 ラーメンにも合うし、特に麻婆豆腐には欠かせない。
 麻婆豆腐を作っても息子にはまだまだ激辛は無理だから、大人の分だけこの自家製のラー油をあとで足すことになる。
 作り方は簡単、うちの手抜き料理のひとつ。
 生姜とニンニクは刻んで米油、そこに豚ミンチと味噌を加え、パラパラになるまで炒める。
 ここに刻んだネギやニラを入れてすこし炒め、出汁を張る。
 出汁は熱湯に煮干し粉を振り入れた簡便なもので。
 豆腐を投入し、沸騰したら片栗粉でとろみを付け、ゴマ油をさっとひと振り。
 これで出来上がり。
 辛みは自家製ラー油と挽き立ての山椒で。
 もちろん、化学調味料は使わない。
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プロフィール
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学生の頃から、ホールや福祉施設、商業施設などに呼ばれる形で歌ってきましたが、やはり自分たちの企画で自分たちの音楽をやりたいという思いが強くなり、劇作家・作詞家の伊佐山紫文氏を座付作家として私(浅川)が座長となり、「夙川座」を立ち上げました。

私たちの音楽の特徴は、クラシックの名曲を私たちオリジナルの日本語歌詞で歌うという点にあります。

イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語の詩の美しさを楽しみ、原語だからこそ味わえる発声の素晴らしさを聴くことも良いのですが、その一方で、歌で最も大切なのは、歌詞が理解できる、共感できる、心に届くということもあります。

クラシック歌曲の美しい旋律に今のわたしたち、日本人に合った歌詞をつけて歌う、聴くことも素敵ではないかと思います。

オリジナル歌詞の歌は50曲を超え、自主制作のCDも十数枚になりました。

2014年暮れには、梅田グランフロント大阪にある「URGE」さんで、なかまとオリジナル歌詞による夢幻オペラ「幻 二人の光源氏」を公演いたしました。

これらの活動から、冗談のように「夙川座」立ち上げへと向かいました。

夙川は私(浅川)が関西に来て以来、10年住み続けている愛着のある土地だからです。
地元の方々に愛され、また、夙川から日本全国に向けて、オリジナル歌詞によるクラシック歌謡の楽しい世界を広げていきたいという思いを込めています。

< 2017年09>
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